【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました
第16章 【番外編②】私と圭介と金髪美女と
新しい恋人ができてもうすぐ二ヶ月。脳みそ溶けてんのかって思われるかもしれないけれど、私たちの恋人生活はとても順風満帆。口を開けば意地悪なことばかり言ってくるけれど、それも彼なりの愛情表現だってわかっていたし、ふとしたときに見せる優しさは本当に私のことを思ってくれているのが伝わってきて……やっぱり好きだな、って毎日のように改めて思っていた。
それなのに……それなのに──。
「あの女の人、誰?」
最近流行りのお洒落なカフェに座るのは、絶対に見間違えることのない私の恋人と──金髪が綺麗な可愛らしい女性。私と圭介が並んでいるのより、ずっとか絵になっていて……自然と暗い気分になっていくのが自分でもわかる。
可愛いな……。くりくりとした目に女性らしい服装、太陽の光に輝くブロンドの髪はお人形のような彼女によく似合っていて、どう見ても圭介とお似合いだ。
今日はダチとご飯行ってくるって言ってたけど……あの人がダチ? 本当に? それだけの関係?
ぐるぐると巡る負の感情を追い出すため、勢いよく頭を横に振る。隣の人に不審がられたけど、許してほしい。だってそうでもしないと邪念でいっぱいになる。
「……お似合い、だな」
楽しそうに笑っている女性を見て、思わず「いいなぁ」なんて呟きが溢れ出る。向かい側に座っている圭介はめんどくさそうに頬杖を付きながらも、眼差しは優しい。きっとあの女性と一緒にいることが嫌ではないのだろう。
いや、そりゃあ仲のいい異性くらいいてもおかしくはないだけれど……実際、目の当たりにするとやっぱり自信なくなるなあ。
私とは何もかもが違いすぎる上に、彼の周りにはあんなレベルの高い女の人ばかりなのかと思うと、急に心臓の辺りが重くなった気がする。