【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました
第15章 【番外編】私と圭介と愉快な仲間たちと
「どうした?」
「……やっぱ私、女としての魅力ないのかなぁ」
「何でそう思ったんだ?」
「これまで圭介が付き合ってきた子より年上だろうし性格もこんなんだから……可愛げがない、よな、と思って」
「心配?」
「うん……愛想つかされちゃうかな? 私」
「本人に訊いてみたのか?」
「だって、こんな女めんどくさくない? 圭介、めんどくさい人が嫌いみたいだし」
「好きな女からだったら面倒に感じねぇんじゃねーのかな、場地も」
「馬鹿なのかドラケンくんは。そんな保証どこにもない」
「って言い切ってんだけど、お前のヨメ。どーする場地?」
私の後ろへと声をかけたドラケンくんにつられて勢いよく私もそちらを振り向く。するとそこにはトイレから戻ったのであろう圭介が、むすっとした表情で私を見下ろしていた。男の人、用を足すの早すぎやしませんか?
「おぉう……ケースケ……」
「ンでカタコトなんだよ」
「聞かなかったことにしていただきたい」
「無理」
「てっめ、この野郎……!」
人が下手に出たらこれだよ! ぐぐぐと握り拳を作る私を見て、更に口をへの字に曲げる圭介。何が不満なんだ! 私のが不満だ! 自信ある!
「ドラケン、ワリィ。ちょっとちゃん連れてく」
「へっ? いや、ちょっと待っ──」
「おーほどほどにな」
「ド、ドラケンくんの薄情ものおおお!」
うわあああん! と声をあげながら手足をジタバタさせるも、子猫を掴みあげる親猫のように容易く私の首根っこをひっつかんでは寝室の方へと引きずっていく。横暴だ! これが恋人に対する扱いか! なんて思っていると、ぺいっ! とこれまた乱雑にベッドの上へと投げ捨てられた。
うぅ……ひどい。こっちは真面目だったのに。
「ンで俺じゃなくてドラケンに相談してんだよ」
ギシッとベッドのスプリングを軋ませながら徐々に私との距離を詰めてくる彼は、獲物をしたたかに追い詰める肉食獣のようで、私は本能的に逃げられないということを早くも悟った。なんなら早すぎた。
そんな私の気持ちを察したのか、圭介は私の手を包み込むようにその大きな手で握りしめ、つり上がったその目を細めては圧をかけてくる。この獣は大層ご立腹のようだ。