【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました
第15章 【番外編】私と圭介と愉快な仲間たちと
「一虎と千冬も寝たみたいだな」
「静かだと思ったらアイツら寝てンのか」
「一虎寝相悪いわね」
「顔だけはいいから喋らなかったらモテるんだよな」
「こないだ店で女子高生に絡まれてたぜ」
「そうなの? もはやマスコットキャラ扱いだね」
女子高生に絡まれる一虎……容易に想像できすぎて、ちょっとおもしろい。ふふっと笑う私をじーっと見ていたドラケンくんの「ちゃんも黙ってたらモテそうだよな」なんて私からすると予想だにしない発言に、思わず食べていたドライフルーツを喉に詰まらせそうになる。
水、水、と水を探すもすぐに見つけられなくて手近にあったワインで喉奥まで流し込んでから、ガサガサの声で私をこんなに目に合わせた犯人の名前を呼んだ。
「ドラケンくん? え? 本気?」
「おー。黙ってたらだけどな」
「えー、私がこれまでモテなかったのは話がヤバいからだったのか。ちょっとこれからは黙るわ」
「ハ? 誰にモテようとしてンだよ」
「んだよ場地、嫉妬かあ?」
「……んなんじゃねェよ」
チッとばつが悪そうな圭介を見て、ドラケンくんとニヤニヤしていると「なンだよ!」と怒られてしまった。ちょっぴり耳が赤いのはお酒のせいなのか、それとも……ふふ。可愛いやつめ。
「じゃー圭介にモテるために、おとなしくしとくかな」
「静かなちゃんとか、ちゃんじゃねーから」
「私、そんなにうるさくないもん!」
「どうだかなァ」
くつくつとおかしそうに喉の奥で笑うと「ちょっと便所」と言って、圭介は床で寝ていた一虎と千冬さんを跨いで、トイレの方へと歩いていく。
その隙を見計らってドラケンくんにねぇねぇと詰め寄れば、不思議そうな顔で私の方を向いてくれた。