【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました
第15章 【番外編】私と圭介と愉快な仲間たちと
私もヨンフォアを撫でたくてイヌピーに近寄るが、私の気配を察知したヨンフォアはイヌピーの膝から飛び降りると圭介の元へと優雅に去っていった。私、嫌われてるのかなぁ……しょん、と気落ちしながらイヌピーの足元に座って眠そうな彼に水を渡せば、短いお礼とともに水を一気に飲み干していった。
上下する喉元を見ながら、キレイな顔しているけどやっぱり男の人なんだなぁなんて当たり前のことを改めて実感する。この中なら線が細い感じなのにね、ちゃんと男の子だ。
「何?」
「みんな顔面偏差値高いなぁと思って」
「? ありがと?」
「何かはわからないけど誉められたことはわかってるのね、イヌピーえらい」
「ちゃん、そこのワインとって」
「お、ドラケンくんワインいける感じ? 一緒に飲も飲も! チーズも買ったよ!」
潰れ始めた面子と違って、まだまだ余裕そうなドラケンくんの隣に座り直してワインのボトルを開ける。そんな私の隣にヨンフォアを抱えた圭介も座って「俺にもチョーダイ」とここからは酒豪三人衆のターンみたいだ。
ちなみにイヌピーは後ろのソファで丸くなりながら眠り始め、千冬さんは一虎にさっきからだる絡みをされて大変そうです。絶対に一虎とお酒のみに行くの止めよ。
「じゃあ三人で飲み直しましょー!」
「へー、ちゃんも酒強いんだな」
「イヌピー的には私が一番強いと思ってるみたいだけど、相場ドラケンくんじゃない? 顔的に」
「場地ー。いつも思うけど、お前のヨメどうにかなんねぇの?」
「今さらだろーが」
「ちょっと、何で私は二人にディスられてんのよ!」
スーパーで買ってきたドライフルーツの袋を力任せに開けながら口をへの字に曲げていると「そういうところな」と、両隣からお小言をいただいた。世知辛い世の中だわ。
「ねぇ、二人は同じ暴走族だったんでしょ?」
「おー。俺が一番隊隊長で、ドラケンが副総長」
「トーマン? イヌピーが有名なところだって言ってた」
「まァな」
「ドラケンくんが副総長ってことは、喧嘩したらドラケンくんのが強いの?」
「ア? ンなわけねーだろ!」
「ちゃんの前だからって見栄張んなよ、場地」
「ドラケン、テメーこの野郎! 適当抜かしてっとブッ飛ばすぞ!」