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【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました

第15章 【番外編】私と圭介と愉快な仲間たちと


「それでわざわざ来てくれたの?」
「おう」
「可愛いとこあるのね」
「可愛いとこしかねェだろ?」
「言うねえ」

 くすくす笑っていると不意に唇が重なった。ちゅっと可愛らしいキスのはずなのに、ほろ苦いビールの味がしてなんだか大人っぽさも含んだそれは、まるで圭介そのもののよう。

「俺、今すげェ幸せ」
「んー?」
「大好きなダチと、大好きなちゃんと一緒にいれて」
「うん、幸せだね」
「ずっと女作るのメンドくせーって思ってたけど、やっぱちゃんはトクベツだワ」
「あら、それはどーも」
「好きが止まんねェ」

 いつもより饒舌な彼は嬉しそうにまた、私にキスをする。甘んじてそれを受け入れていると急に「あーッ!」と耳をつんざくような大声が聞こえてきて、思わずビクリと肩を揺らした。──が、圭介はチラリと声の方を見ただけで一向に私とのキスを止めてくれそうにない。相変わらず顔面だけじゃなくて、メンタルもつよつよですね。余裕そうな顔が腹立つわ。

「場地とがちゅーしてる!」

 さっきより赤い顔でワッと騒ぎ立てる一虎に、扉からこっそり顔を覗かせてこちらの様子をうかがう千冬さん。少し遠くからドラケンくんの「お前らほどほどにしとけよー」と私らに向けられたのか、一虎と千冬さんなのか、それとも全員なのか、呆れたような声が聞こえてきた。
 いや、ほんとそれな。そう思ってベチッと圭介の後頭部を叩けば何食わぬ顔で、私から顔を離して……。

「邪魔すンなよな、お前ら」
「圭介は空気読もうね? ね?」
「空気読んで二人きり狙ったのに、こいつらが来たンだろうが」
「屁理屈」

 肩パンすれば、いてェと棒読みで返ってきたがそんなこと微塵も思ってないでしょ。仕方のない人なんだから、まったく。
 圭介と水を持ってリビングに戻ればぐでぐでのイヌピーはソファにもたれかかって、船をこぎながらヨンフォアを膝の上で撫でて──あぁ!

「あーッ!」
「……、デカイ声出すな。猫が驚く」
「わ、私には撫でさせてくれなかったのに! イヌピーだけズルい!」
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