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【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました

第15章 【番外編】私と圭介と愉快な仲間たちと


「よかったな」
「うん」
「でも意外だ」
「ん? 何が?」
「場地は激しいのが好きなんだと思ってた」
「激しいの?」
「噛みついたりしそうだろ?」
「噛みつかれたことないよ?」
「じゃあキスマーク付けたりするのか?」
「……いったい何の話?」
「何ってナニ?」

 私はもう一度天を仰いで、信じてもいない神様にお願いした。私の周りの人をどうにかしてくれ、と。

「そっちは……まだ」
「へぇ」
「なに、その『へぇ』は」
「いや。大切にされてるんだな」
「……そう、なのかな?」
「あぁ」

 そうだったら……いいな。私に女としての魅力がないとか、だったらちょっと悲しいもん。私は圭介より年上だし、これまで付き合って来たであろう女の子たちと比べられようものなら、いろいろと太刀打ちできない気がするから。
 そもそも恋愛の経験も少ないし、可愛げもほぼ皆無だし……ってあれ? 私、女として終わってないか?

「」
「うん?」
「心配するな」
「え?」
「と場地なら大丈夫」
「……心配なんかしてないですよー」
「ふっ、ならいい」

 行くか。と言ってほとんどの買い物袋を持ってくれたイヌピーも当たり前に車道側を歩いてくれて、なんだかくすぐったい気持ちになってくる。私の周り、ツンデレ男多すぎ問題。
 
「また何かあったら言え」
「うん」
「撲さ──」
「つするな。急にヤンキー出さないで」
「確かに。なら俺がやる前にやりそう」
「私のこと何だと思ってるの?」
「拳で語る女」
「失敬な。口で語りますので」

 そんな軽口を叩きながら歩いていけば、すぐに圭介の家へとたどり着く。ピンポーンと間延びした音のあとに、ドタドタと中から元気な足音が二つほど。誰が出迎えてくれるのかなーなんて呑気に待っていたら、勢いよくドアが開いて黒と金のツートンカラーが飛び出してきた。

「やっと来たか!」
「テメ、一虎! 何でお前が一番に出迎えてンだよ!」 
「場地が遅いのがいけないんだろ」

 やんのやんのと煩い二人を見て、仕方ないなあと肩をすくめながら思わず笑いが溢れる。こうやって楽しそうな二人を久しぶりに見たときは、なぜだか少し感動したっけ。
 そんなことすらもう随分前のことのように感じるくらいには、私もまたみんなの輪に馴染んでいる。と思う。
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