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【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました

第15章 【番外編】私と圭介と愉快な仲間たちと


「ねぇイヌピー。お酒、このくらいで足りるかな?」
「足りないだろ。もドラケンも場地も酒豪だから」
「え? 真っ先に私の名前が挙がるの不服なんだけど」
「あ、つまみ」
「聞け。私の話を聞け」

 圭介と付き合いはじめて二週間が経とうとしていたある日。千冬さんの「みんなで二人をお祝いしましょうよ!」と言う一言から、今日は圭介の家でみんな揃って飲み会をすることになったんだけど……もう本っっっ当に楽しみだったんだよね! 私! みんなで飲み会!
 ちなみに圭介とお付き合いしますってなったときに、圭介たちペットショップのみんなとD&Dの二人が昔馴染みだということを知ったんだけど……私の周り、元ヤンばっかすぎやしませんか? 出会いが鋭角に尖りすぎている気がしてならない。

「ジャーキー買う」
「犬感スゴいね」

 そして今は、今日お休みだった私とイヌピーが飲み会の買い出し担当として、圭介の家の近くのスーパーへと買い物へ来ています。はい。
 圭介は俺も行くって最後まで言っていたけれど……よほど私とイヌピーが二人で行くっていうのが嫌だったご様子。こんがり焼けたヤキモチは可愛いものよね。ふふ。

「ニヤニヤして気持ち悪い」
「レディに対してもうちょっと優しくしてくれてもよくない?」
「俺の目にレディは映ってない」
「眼科行け。眼科」
「一番下のやつも見えるくらいには視力いいぞ」
「イヌピー嫌味って知ってる?」

 そんな私の言葉をもろともせず「あ、赤ワイン」とか言って呑気に赤ワインのボトルを手にするイヌピーに思わず天を仰いだ。
 神様、顔がいいだけじゃなくって頭もいいようにしてください。私の周り、おつむが残念な大人が多すぎます。私の恋人を筆頭に。

「場地とは」
「ん?」
「場地とは上手くやってるか?」
「んーどうだろ。まだ一ヶ月も経ってないしね」
「そうか」
「でも……優しくしてくれるよ」

 本当に些細なことだけれど、車道側を歩いてくれたり、ペットボトルの蓋を少し緩めてから渡してくれたり……私の名前を呼ぶ声も、笑いかけてくれるその顔も、壊れ物を扱うように繋いでくれる手も、全部が優しい。
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