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【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました

第13章 私と圭介と二人の思いと


「千冬のこと好きだって」

 …………。

「は?」
「気づくってか、ちゃんがずっと自分で言ってたよな」
「ハ?」
「千冬のこと好きだとか、彼氏にするなら千冬みたいな奴がいいって」
「はあ?」
「さっきのも千冬のことが好きってことだろ? わざわざ店抜けて来てくれたもんな」
「ハア?」
「だから千冬にちゃんのこと送らせようと思ったんだけど逃げるように帰っちまうし。アイツも鈍いよなァ」
「はあああ!?」

 思わぬ展開パート二に開いた口が塞がらない。えっ……待って? この男は私が千冬さんのことをずっと好きだと思い込んでたってこと?
 情報量が私のキャパシティを越えてしまったので、思考回路がショートしたようにうまく繋がらない。これが漫画なら、私の頭の上からプシューと煙が出ていることだろう。
 ……なんっ、え? えええ?

「だからさっきの言葉も忘れてくれよな。俺が言いたかっただけだし、ちゃんとどうこうなりたいとは思ってねェから」

 そう言って笑った圭介の笑顔は驚くくらいいつも通りで……ここで、ここで私がアクションを起こさなければきっとこれまで通りの日常が戻ってくるのだろうと、本能的に感じた。でも……でも……私は──。

「私は場地さんとどうにかなりたいと思ってる」
「? それってどういう……」
「場地さんは“LIKE”と“LOVE”の違いわかる?」
「両方好きだろ?」
「LIKEは友達として、恋人として、信頼しているとか軽い感じの好き」
「ふーん?」
「LOVEは──すぐにでも結婚したいとか、この世の何よりも好き。ってことなんだって」
「詳しいな」
「そうかな? でね、私の千冬さんへの好きって気持ちは“LIKE”なの」

 ここまで言ったら察しのいい人は気づいてくれそうだが、何せ相手はデリカシーの意味すら知らない男だ。今の段階で小首を傾げているのはもはや予想の範疇。
 ……がんばれ私。勇気をもって小さくて大きな一歩を踏み出すんだ。こんなところでひよるな。
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