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【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました

第11章 私と圭介とイヌピーと


 そう。仕事帰りの夜道とか一人で帰るの怖すぎるから、この二人のどちらかにお迎えに来てもらおう! という作戦なのです。
 D&Dから私の仕事場は近いし、バイクで来てくれたらもっとすぐだし! なんなら顔がいかついドラケンくん来てくれたら、相手がビビってひいてくれないかな……なんて希望的観測も持っています。はい。
 自分の身の安全のため、イヌピーたちのすねをかじりたいと思います! 女だから二言あってもいいよね!

「俺はいいぜ」
「ドラケンくぅん……!」
「さすがに常連客が外で男にヤられたっての聞いたら、後味ワリィしな」
「そんな妄想止めて、泣く」
「イヌピーも、ちゃんがそんな目に遭ったら嫌だろ?」
「……まあ」
「一肌脱いでやろうじゃん。な?」

 そう言ったドラケンくんから私に視線を移し「仕方ねぇな」と呟いたイヌピーに、思わず飛び付いた。持つべきものは、元暴走族の幼馴染みだ! 心の友よ!
 ありがとうありがとうと何度もお礼を言う私を困ったように見るイヌピーには、感謝してもしきれない。もちろんドラケンくんにもね。

「にしても、顔。」
「ん?」
「不細工。くまひどい」
「コラ、イヌピー。いくら幼馴染みでも女の子にんなこと言ったらダメだろ」
「ドラケンくん……! 顔に似合わず紳士だよね!」
「ちゃん、一言余計だって」

 ケラケラと私の言葉をき気にする様子もなく笑うドラケンくんは、私が知る人の中で1番の常識人。実家が風俗店だとか、自分の誕生日に店長いなくて店のフロント担当してたとか、まぁまぁ衝撃的な事実を息を吐くようにサラッと告げられたときはさすがに驚いたけれど……そんな彼だからこそ、広い視野を持っているんだろうなあ。
 何かあったら今度からドラケンくんに人生相談しようかな。
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