【場地圭介】ペットショップの店員にパンツ見られました
第11章 私と圭介とイヌピーと
皆々様。、前言撤回いたします。
「頼むよイヌピー! 君がいないと私生きていけないよお!」
「やだ」
しばらくの間、イヌピーのすねをかじって生きていこうと思います。
「そんなこと言わないでよ! 私とイヌピーの仲でしょ!」
「うるさい」
「幼馴染みがストーカーされてるんだよ!? もうちょっと心配してくれてもよくない!?」
本日は連休の二日目。車検に出していた愛機のシャドウを取りに、幼馴染みが働いているバイク屋──D&D MOTOR CYCLE SHOPへと来ていた。
乾青宗ことイヌピーは、幼稚園の頃から一緒にいる私の幼馴染み。なんならお互いの全裸も見たことある仲だ。三歳くらいの話だけれど。
「なに? ちゃんストーカーされてんの?」
「ドラケンくん! そうなの、かなり困ってて」
「をストーカーするとか、そいつ頭おかしいな」
「ストーカーはみんな頭おかしいからね? 私が云々とかじゃないからね? ね?」
昔からどこかクールなイヌピーは、いつも私に辛辣だ。言葉の暴力半端ない。だけど……私が本当に嫌がることなんかはしてこないから、この言葉の裏にある優しさにいつも助けられてきたんだよなあ。
元暴走族のイヌピー──あ、ドラケンくんもらしいけど。そんなイヌピーと一緒にいることが多かったからか、他の暴走族に狙われたり、喧嘩吹っ掛けられたり、そんなことが多々あった華の学生時代。そんな中でも彼はいつも私のことを助けてくれたし、守ってくれていた。そんな優しい男なんだよね。
「ストーカーにだって相手を選ぶ権利はあるだろ」
やっぱ優しくないかもしれない。
「ストーカーの肩持たないでよね! っていうか論点はそこじゃないから!」
「仕事の帰りとか迎えに来てほしいんだろ?」
「そう! そうなの! ほら、元暴走族のしかもなんか有名? なとこの副総長ズなんでしょ!? 最強のボディーガードじゃん!」