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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第9章 王立図書館


言い淀む私に、シェラザード様は真剣な眼差しを向ける。つい、身構えてしまうのは仕方ないと思う。

「侯爵家秘蔵ということか。」

ある意味、間違っていない。だって、門外不出だもの。

「今、サザライト領の養殖に力を入れているのもひょっとして・・・。」

鰹節や昆布、そしてツナマヨを激しく所望する私の願いの為にお父様が頑張ってくれている。味に面倒くさい元日本人だ。出汁は欠かせない。

「よく御存知ですね。」
「情報力は貴族にとって何よりも大事だからな。」

お父様、ごめんなさい。天婦羅が食べたいばかりに、第一回侯爵家天婦羅パーティーに発展したあの時の私を許して欲しいです。

でも、あの機会があったから・・・作るのは許された様なものだったし。天つゆで食べた白身の天婦羅を食べたお父様は人が変わってたもの。

「アメリア、何か考え事か?」
「えっ?あ、えっと・・・。」
「秘蔵ならば、無理に聞き出したりしない。悪かったな、悩ませてしまったようで。」

あっさりと引き下がってくれたシェラザード様に、ホッとする私。でも、一部の味を知っているし料理も知られている。

「それで、アメリアの誕生日は1月8日で間違っていないな?」

断定という確認ですね。確かに、間違っていませんけど。

「流石、シェラザード様ですね。」
「それくらいなら、簡単に調べられる。」

でしょうね。公爵家ならば。

「手先が器用で、編み物や刺繍も達人並。読書家で博識なのに、それをひからすこともしない。それから・・・。」

恥ずかしくなって。私はそれ以上は止めました。それに、編み物や刺繍なんて、貴族の令嬢なら当たり前。読書もそう自慢できる趣味でもない。

「奥ゆかしいな。だが、一度、私の為に何か刺しては貰えないか?」
「分かりました。シェラザード様の為に、一針一針心を込めますね。」

この世界には、刺繍をして恋人や婚約者に贈り物を贈る習慣がある。まさか、強請られるとは思ってもみなかったけれど。

「アメリア・・・殿下に気付いていたよな?」
「えっ、あ、はい。」
「偶然ならばいいのだがな。」

そんな憂いを帯びた目で言わないでください。カッコイイだけですから。でも、本当に偶然?それとも違うの?だったら、何の為に?私への嫌がらせ?そんなに私が憎い?
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