第6章 リベンジデート
「学生だが、結婚ならいいのか?」
「はい?ど、どうしたんですか?シェラザード様らしくないですよ。落ち着いて下さい。」
「あまり言いたくなかったが・・・私で手を打たなければ、王族に名を連ねることになるかもしれないぞ。確かに、そっちの方が私より優良物件だがな。」
それは断固拒否!!って言うか、どうして王族?私はあの王子に散々な扱いされてきて嫌われているし、あ、まさか第一王子の方?
いやいや、無理だから。あの王子に似た顔は拒否したい。
「今は、私がストッパーだが・・・。」
「シェラザード様、よろしくお願いします。」
ハッキリ言って、二択だよね?ストッパー失くしたら、今以上に追い込まれそうだよね?あの策士の第一王子に。
「そうか。受けてくれて何より。ちなみに、お父上は今日おいでるのか?」
「えっ、まさか・・・。」
「直ぐにご挨拶したい。婚約の申し込みの書簡もお渡ししたいからな。」
めっちゃ、用意周到じゃん。もし、私が王族に名を連ねたいって言ったら、どうするつもりだったのだろう?
いや、言う訳無いって知っているか。
そして、デートが始まってまだ二時間ほど。その二時間で私の未来が確定した。
その30分後、屋敷に帰るなり父上と対面。どうやら、父上の方はあのデートのお誘いの手紙で覚悟はしていたらしい。
それ程、シェラザード様は身もちが固くて真面目だったのだ。そして家柄も申し分なく、優秀な人材。
親としても、反対する要因がなかったらしい。母上は大層喜び、使用人も歓喜した。優良物件だもんね。
翌日、トドメとばかりに公爵家からアシュリー家御一行が訪ねて来られた。もう、私は半ば廃人の様になっている。
シェラザード様は一人っ子だ。私が嫁に行くことになる。そして、シェラザード様のご両親は、それはそれは美男美女でした。
正式な家同士の婚約の手続きが終わり、早々に王城にある役所的な部門に申請し受理された。何って迅速な根回し。普通なら、三日くらい掛かるらしいのに。
今まで女性に興味なかったシェラザード様がいきなりの心の内を吐露。それも、相手は侯爵家。今の内にと、囲い込んだのだと思う。
で、これからだけど・・・釣った魚に餌をあげないとか、ないよね?あ・・・手を出したいって言ってたっけ。
明日からの学園生活はどうなるの?