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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第33章 その後のシュリア王国 ~シェラザード side~


ダグラス王国は名実と共には滅んだ。その後、あれだけ栄えたあの国は廃墟となり、隣国の属国になった。

元ダグラス王国の国民は、ただ上の人が変わっただけだと今でもたくましく生きている様だ。ロイドはあの後、暴動の中で命を落としたらしい。


さて、そろそろアメリアの柔肌を堪能し・・・ベッドの上で、静かに寝息を立てているアメリアを見て溜め息を吐いた。

仕方なく隣りに体を滑り込ませれば、少しだけ目が開いた。何かを探している様な目。

「シェラ?」
「リア、私なら傍にいる。おやすみ。」

フワリと笑っては、私に擦り寄り再び目を閉じた。付き合いも長くなり、私たちは今更ながらだがお互いに愛称呼びとした。

この腕の中に感じる確かな温もりに癒されつつ、私も目を閉じた。

シュリアの国は、アメリアの知識で広められた新しい食文化が産業として潤いをみせ、国民皆が新メニューを望むまでになった。

私も忙しく毎日を過ごす中、嬉々としてメルタと新メニューを開発している。ただ、その光景を見てどうしても嫉妬してしまうのは仕方ない。

そして今、目の前にあるのは・・・岩?見た目よりずっしりした重みを感じる。

「これは何だ?」
「シュークリームって言うお菓子よ。シューという生地の中に、甘いクリームが入っているの。」
「そうか。甘いのか。」

つい、残念そうに言葉を吐いてしまうと、リアは笑う。

「そろそろランチの時間ね。今日は煮込みハンバーグを用意してあるの。好きでしょう?」
「あぁ。」

アメリア専用の厨房で、二人でランチを取る。メルタはその間、使用人専用の方に食事を取りに行った。

「ん、美味い。」
「フフ、良かった。」

リアと出会うまでは、ただお役目として行動していた毎日。まさか、今、こんな風に愛おしいと思える女性と穏やかな時間を過ごせるようになるとは。

「リア、愛してる。生涯、私の心はリアにだけ捧げよう。」

目を丸くし私を見たリアは、それは嬉しそうな笑みを浮かべてはお返しとばかりに私に愛の言葉をくれた。

その夜、ギシギシとベッドから聞こえる音とリアの甘く喘ぐ声。それは、夜が更けても尚、止まることはなかった。

もう少し、そう、もう少しでこの腹に私の子種を溢れるばかりに注いでは・・・。

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