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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第30章 最後の攻略キャラ


アシュリー家の領地滞在を楽しみ、早くも登校日となりました。

色々とハプニングはありましたが、私は至って元気です。蓮根はお土産にたくさん貰いました。そして、こっそり作ってみた辛子蓮根。

メルタは私の右腕です。美味しく作ってくれて、いざ試食したのは昨日のこと。そして、その日の晩餐に食卓に出たの事に驚きました。

あ、ちょっと現実逃避しました。えっと、今目の前にいるのは人懐っこい愛想を振りまく令息がいます。どうやら、留学から戻ってきて、年明けからこの学園に入ってきたようです。

柔らかいハニーブラウンの髪色に、金色に近い黄色い瞳。今、シェラザード様が傍にいない事で声を掛けられています。

誰かに似ているなぁと考えていたら、思い出しました。攻略キャラ四人目に似ている事を。確か・・・。

「ケルト伯爵家・・・。」
「えっ、俺のこと知ってくれてた?嬉しいなぁ。あ、ひょっとして・・・俺に一目惚れしたとか?」

どうやら、頭の中はお花畑らしいです。そう言えば、王子の傍にいたのはあの三人だったなぁと今更ながら思い出して、攻略をしていないキャラの事なんて知らないから気にもかけなかった訳で。

この出会いが正式なものなのか、イレギュラーなものなのか私には分からなかった。ただ、きっと本当ならこの会話はヒロインへ使われるものだったのではなかろうかと思う。

見た目は確かに悪くない。って、私が他人様のことをとやかく言える立場ではないけれど。

「あ、思い出したっ!!キミって、ロイド様に言い寄っていた女の子だよね?あれ?でも、確かロイド様は今でも婚約者はいないみたいだし・・・あ、正式に振られちゃった?ひょっとして、今必死に相手を探してる?」

よく喋るなぁ~という温い目で見ていると、何を勘違いしたのかニヤッと笑うケルト家子息。

「俺にも婚約者はいないけど、あんな目くじら立ててロイド様に言い寄っていたキミを婚約者にはしたくないなぁ。あ、でも、愛人ならいいかな。一応、顔は整っているし、それに体も悪く・・・。」

キモッ!!全力で心の中で叫んだ私。全く、どいつこもいつもクズばっか。

「あの、もういいですか?図書っ。」
「せっかちだなぁ~。あ、図書室で俺に相手して欲しいの?人に見られるかもしれないのに、随分大胆だなぁ。あ、見られて喜ぶ性癖があるとか?想像したらちょっとゾクゾクする。」


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