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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第29章 罠と全力魔道具


昨晩は、明日が登城と言うことで二回の行為で終わりました。全然、淡泊ではありませんでしたがまぁ、許容範囲です。

今日とて、シェラザード様が用意してくれたドレスを着てお城へ来ています。今日のドレスに合わせたチョーカーは、宝石が付いていてとても綺麗です。

一度、アシュリー家とは別れ、侯爵家の家族と共にご挨拶しました。公爵家は先に終わったようで、アシュリー家の面々は有名どころの貴族たちと話をされているようです。

そして、私たちの番となりました。

そう言えば、国王様と直接話しって・・・。当たり障りない挨拶をしては、離れようとしたら呼び止められました。

「アシュリー家で世話になっていると聞いた。」
「はい。その通りでございます。」
「そなたに危険があると言うなら、この王城で世話をしてもいいぞ?」

それって、ウチの息子にって言うアレですか?

「私など恐れ多いことでございます。それに、私は罰当たりになりたくありませんので。」

王子の相手は、他所で探してくれ。シェラザード様が私はいいもの。ん?何か・・・どこからか覚えのあるような匂いがするような。

王様はそれ以上何も言わない様だったので、さっさと御前から退散。王族の皆さまから離れると、直ぐにシェラザード様が傍に来ては私をその場から連れ出した。

「気付いたか?匂いに。」
「えっ?あ、そう言えば、えっ?あの匂い・・・。」
「アメリアの前に挨拶していた令嬢から、匂いがした。」

誰を狙っているのだろう?若しくは、誰かに狙われている?

「気分は悪くなっていないか?」
「はい。」

今のところ、シェラザード様を見てもムラムラしたりしない。あ、ムラムラって言っちゃった。

「何人かは、この匂いに気付いている。私の様に耐性あるものはいいが・・・。」

決して強いモノではない匂い。でも、耐性のない人は体調を崩すくらいにはなるだろう。

実際、挨拶巡りが始まって二時間過ぎた頃。年頃の女性二人が体調を崩したらしく運ばれていた。私の腰にはシェラザード様の腕がしっかりホールド中。

辺りを注意深く様子を見ている。そして、時折、私の心配をする。でも、至って平気だ。うん、ムラムラもしない。私にも耐性が付いたのかな?

なんて呑気に思っていると、ザワザワした声が聞こえてきた。

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