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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第26章 突然の訪問


パーティーから一ヵ月後。侯爵家に、贈り物が届きました。贈り主は、コーシュ=バクサー。贈り物は隣国の有名な香水でした。

「メアリー、この香水臭い。」

つい、身も蓋もない一言。開封しなくても、匂いが強いのか香って来る。

「アメリア様は、匂いが強い物を好まれませんものね。それに引き換え、アシュリー様は流石、アメリア様の好みを抑えていらっしゃいますね。」
「この香水って、ベースはシェラザード様の使われているものと同じなの。それに、私の好きな柔らかい花の香料をブレンドしているって聞いたわ。」

で、これ・・・どうしよう?

箱の中で収まっているままのその香水を見て、そもそも何故この私に贈って来ようと思ったのか。だって、会ったのはあの日だけだ。

「アメリア、私だ。」

もう、勝手知ったる他人の家。この声はシェラザード様のものだ。入室を促せば、入って来た。で、一瞬その香水を見て眉を顰めた。

11月には、異性に香水をプレゼントする習慣がある。私も勿論、シェラザード様に贈ったのだけど。

ただ箱が開けられただけの蓋を閉めてから、私の隣りに座ったシェラザード様。メアリーが直ぐに紅茶とお菓子を用意してくれ、二人で休日を過ごすことに。

「アメリア、あの香水の瓶に触れたか?」
「いいえ?」
「ならいい。それと、これは処分するが構わないか?」

流石に貰ったものを第三者が処分と言うのは・・・。思案していると、シェラザード様が忌々しそうにこう言った。

「媚薬に使われる成分が、この香水にも使われている。耐性がなければ、影響を受けやすい。」
「えっ?あ、シェラザード様は?」
「私には耐性があるから問題ない。留学していた時に、散々、こういう類いを使われたことがあるからな。」

えっ、何それ。怖い。

「心配しなくとも、それを理由に情を交わしたことはない。元々、私には毒耐性がある。たぶん、アメリアは私の体液が幾分か体に入っているからそう強い成分でなければ大丈夫だとは思うが。」
「た、体液?」

って、どうしてその部分だけ私は拾い上げたの?

「毎日、口付けをするだろう?唾液も体液だ。」
「・・・そ、そうですね。」
「アメリアが想像している方が、もっと成分は濃いだろうがな。それより、体調に問題はないか?」

少し考えたけれど、どこも問題はないみたい。



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