第23章 二度目の人生でも初の学園祭
学園祭のお題。貴族らしく楽器演奏。そして、演劇。うんうん、貴族ってそういうものだよね。って、私の勝手なイメージだけど。
それから、貴族の令嬢たちのお菓子の販売。うん、それもイメージ通り。ただ、クッキー・マドレーヌ・カップケーキって、それぞれ何人かで班に分かれる意味ある?
勿論、販売だから、売り子も必要な訳で・・・さっきから、何回、シェラザード様が勧誘されているか分からない。あ、班と言っても、同じクラスでとかじゃなくて、そこは自由みたい。
で、本題です。
今、恒例の一族ランチの時間です。ルーズベルト様から、学園生活が最後と言うことで、何かしたいと問題提起されました。
去年もその前も何もされなかった様で、私に何か美味しいお菓子を作れないかなと物凄いいい笑顔でお願いされています。シュバイツ様も双子も乗り気です。
ただ、シェラザード様は、仏頂面です。それ一択です。
「何故、アメリアが大変な思いをしないといけないんだ。」
「私のお願い聞いてくれたら、シェラの卒業後、迅速に婚姻を結べるように尽力するよ?」
「・・・分かった。」
そのやり取りを聞いて、焦るのは私だけ。えっ、今、何か聞き捨てならないことが聞こえた気がするのですが。
「アメリア、何かいい案ないか?」
「えっ?あ、そうですね。お菓子は他の班の人たちがやるみたいですし。」
「そう直ぐに決めなくていいよ。まだ、考える時間はあるからね。」
この日のランチは滞りなく終わり、でも、私の頭の中はそれからと言うもの、学園祭のことでいっぱいでした。
出店・・・うん、出店と言えば屋台。前世の記憶を手繰り寄せ、私が買っていたもの。果物を飴に纏わせたもの、ちなみに私は葡萄がイチオシだった。
定番のたこやきにポテトフライ、ベビーカステラ。ごめん・・・私って、大体、決まったものしか食べて来なかった気がする。
紙に書き出してみたものの、この世界で作って披露していいものかという不安もある。
あの問題提起から数日が過ぎた。元々、そう頭の中の引き出しが多くない私は、思いついては却下して、もう頭が噴火しそうである。
「・・・リア、アメリア?」
「あ、すみません。考え事をしていました。」
「学園祭の事か。可能なら、私は初めてアメリアの手料理を食べたアレが食べたい。」
それは、初めて出会った時の?