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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第21章 瞳の中の熱


始まりました。久しぶりの学園です。学生服が懐かしく感じてしまいます。そうそう、同盟国からの二人は王子のクラスに入ることになりました。

王女は、やはり王女でした。見た目は何処からどう見ても王女。定番の金髪碧眼。そして、婚約者の男性はこれまた金髪灰眼のイケメンでした。

ただ、胡散臭さはどうしても感じてしまいましたけれど。でも、クラスも違うので、関わることがありません。たまに、学園内で見かけるくらいでしょうか。

我儘らしい王女も、まだこの国に来て慣れていないのか大人しいそうです。それも、三日目には化けの皮が剥がれたそうですが。

今日はシェラザード様の剣術の授業の日。恒例のタオルと冷たい飲み物を持って授業が行われていた場所へと向かいました。

その途中で見かけたのが、あの王女の婚約者。二人の令嬢と、楽しそうに談笑中。王女は一緒ではない様でしたが、私には興味もないのでそのままシェラザード様の元へと向かう事にしました。

婚約者が王女だと言うのに、あれでいいのか?と思わなくはないのですが下手に関わり合いたくないので見なかったフリです。

目的地に到着すると、何故かシェラザード様と話しをしている王女がいました。周りは、私の登場にハラハラとした顔をしています。

「お話し中、失礼いたします。どうぞ、シェラザード様。」
「いつもありがとう、アメリア。それでは、婚約者が来ましたので私はこれで失礼致します。」
「待ちなさい。返事をまだ貰っていないわ。」

シェラザード様は王女を見て、微笑みました。その顔を見て、喜色を浮かべた王女。でも、一考することなく発した言葉に固まることとなった。

「お断り致します。」

何を言われたのか分からないけれど、浮かべた笑顔が一瞬で消えては私の手を掴み歩き出したシェラザード様。

私が見掛けた場所で、まだ、あの王女の婚約者は令嬢と談笑中でした。シェラザード様も気付いた様だけど、何も興味を示しません。

教室に戻れば、席に座って喉を潤せば小さく息を吐いた。

「大丈夫ですか?」
「ん?心配?」

あれ、何か機嫌は悪そうには見えない。ちょっと拍子抜け?

「何を話してたか気になる?」
「はい。」
「素直。あの人、昔話がしたいから私に王宮に遊びに来いだと。今更、何の話しがあるんだか。」

また、気が変わった・・・とか?









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