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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第3章 見舞いに綺麗な花束を


予定していた週末の前日。朝から体調が悪かった私。あれから毎日、見送られる日々。

「体調が悪そうだな。」

気遣う声と共に、ヒンヤリした手が私の額に触れた。

「少し熱があるな。」
「すみません。明日は・・・。」
「気にするな。体の方が大事だ。」

体調不良のおかげで、明日のお出かけはなくなりそうだ。安堵の息を吐くと、シェラザード様は続けてこう言った。

「デートなら、来週に延期でいい。」

どうやら、延期にはなるものの無くなる事はない様だ。そして、その夜、そこそこの発熱。お医者様に診て貰い、薬を貰って早めの就寝。

翌朝、目覚めれば熱は下がったものの、まだ体の怠さが残る状態だった。故に、そのままベッドで横になったまま。

どうやら、寝込むほどに色々と緊張して気を張っていたのかもしれない。だって、相手は公爵家の御曹司。粗相があってはいけない。

幼い頃、王子にあれだけ纏わりついていたことは無かったことにしている私。あれは若気の至りが故の行動だ。うん。

暇・・・そう暇だった。

そして、何やら屋敷の中が騒がしい?何かあったのだろうかと思っていると、父上が訪ねて来られた。

「どうだい?」
「まだ少し怠いですけど、熱は下がりました。」
「そうか。少し話しは出来そうか?」

了承すると、大きな薔薇の花束を抱えて部屋に入って来たシェラザード様。私は理解が追い付かず呆然。

え、お父様・・・未婚の娘の部屋に入れていいの?

「熱は下がった様で何よりだ。」
「はい。あの・・・ひょっとして、お見舞いですか?」
「ひょっとしなくても見舞いだ。」

扉は開いているけれど、部屋には私とシェラザード様の2人だ。外でメイドが控えているだろうけれど。

「お見舞いありがとうございます。シェラザード様。」
「礼など不要だ。」
「今日は本当にすみません。あ、ダグ・・・王子にお誘いされておいででしたよね?そちらに・・・。」

名を口にし掛けて、彼の眉が少し顰められたことに気付き王子と呼んだ私。名じゃなければいい?うん、良かったらしい。

「私はそこまで暇ではない。」
「えっ、あ・・・すみません。お忙しいのに私などの見舞いに来ていただいて。」
「アメリアと私は一蓮托生だから見舞いは問題ない。」

へっ?何が?一蓮托生って何?



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