第11章 ブルーデイジー
side場地
「東堂の紹介したかった友達って東卍?」
何が何だかという空気の中、兄の灰谷蘭が口を開いた。
『え、うんそうだよ?』
うんそうだよって…。
東卍と灰谷はバチバチの関係だぞ…。
「まてまて東堂。
東卍と灰谷兄弟が仲良く友達になんのは
いろいろ厳しいもんがあると思うぞ」
そもそも東堂とこいつらの関係性が分からない。
『そ…なんだ…っ。
これからずっと仲良くなれない…?』
泣きそうな声で俯くコイツに俺はなんて言えばいい
『大好きな皆が喧嘩するなんて嫌だ…っ』
今後コイツらと揉める抗争がきっとある。
喧嘩しないなんて約束はできない。
「俺たち仲良くなれそうだけどなー?」
何言ってんだこの三つ編み…って思ってたら肩を組まれた。
「俺らは東堂ちゃんを悲しませたくないから東堂ちゃんの前でだけは仲良くやろう。もちろん東堂ちゃんになんかあったら助けるし場合によっちゃ協力だってする。東卍と灰谷なら百人力だろ。東堂ちゃんの笑顔のためだ。ノるだろ。」
コソコソと耳打ちで提案をされた。たしかにそうだ。この事は俺からマイキーに話通しゃいい。俺たちの問題で東堂を悲しませるわけにはいかねえ。せっかく笑ってくれるようになったんだ…ここは手を組もう。
「今日から東卍と灰谷兄弟はダチだ」
メガネがキョトンとしてるけど、お前は後で兄ちゃんから聞けばいい。
『ほんとに?…うれしいっ!』
やっと顔を上げ笑顔を見せてくれた東堂に安心して、コイツらとぶつかる日が来なきゃいいのにって心から思った。東堂の為なら俺は、いや…東卍は六本木の頭とだって仲良しごっこしてやる。