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東京卍會のお姫様

第11章 ブルーデイジー


「あ、いたいた東堂ちゃーんっ」

でっけえ声で兄ちゃんが東堂の名前を呼んで手を振ってる。視線の先を見ると…いた。だけどショート丈より少し長いくらいの黒髪の女が東堂の手を引いて今にも走り出しそうだ。

「おい兄ちゃん声でかい恥ずかしい」

『あれ、蘭ちゃんと竜ちゃん?』

気づいて名前を呼んでくれた東堂の声にバッと振り返る女…じゃない男だコイツ。

「は?東堂なんでこいつらの事しって…」

コイツ…東卍の…。
なんで東堂といるんだ。

「あれ…もしかして東卍の場地ー?
壱番隊の隊長さんだよねえ」

そうだ、東卍の壱番隊隊長。場地圭介。

「…東堂になんの用だ」

東堂の手を繋いだまま自身の後ろに隠して俺たちを睨む場地。

「お前に関係ねえだろ。
東堂の手離せよ」

早く離せクソヤロウ

「あ?やんのかコラ」

なんで東堂が東卍の隊長と一緒にいんだ…。

『あ、そうだ蘭ちゃん!竜ちゃん!
この前紹介したいって言ってたお友達の1人の場地圭介くん!』

「「「…え?」」」

『え?』

「東堂の紹介したかった友達って東卍?」

『え、うんそうだよ?』

「まてまて東堂。
東卍と灰谷兄弟が仲良く友達になんのは
いろいろ厳しいもんがあると思うぞ」

場地の言う通りだ。
渋谷と六本木を仕切ってる俺たちが仲良しごっこなんて他の連中が黙ってない。

『そ…なんだ…っ。
これからずっと仲良くなれない…?』

悲しそうに俯く東堂。
何とかしてやりたいけど…。

『大好きな皆が喧嘩するなんて嫌だ…っ』

近い将来、東京イチをきめる抗争が起きるだろう。そのとき俺らが戦わないなんて約束はできねえ…。でもこいつの悲しむ顔も見たくない。

「俺たち仲良くなれそうだけどなー?」

そう言って場地の肩に腕を回した兄ちゃん。
何してんだバカ兄貴。

コソコソと場地に耳打ちをしてから

「今日から東卍と灰谷兄弟はダチだ」

そう場地がいった。2人とも何考えてんだ。

『ほんとに?…うれしいっ!』

だけどパァっと明るい表情になった東堂を見た瞬間喧嘩とかそういうの全部どうでも良くなった。
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