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東京卍會のお姫様

第16章 ベゴニア


話題を変えないと…っ

えっと、えーっと…

あ。

『竜ちゃん』

「あ、え、なにっ?」

『刺青見たいな』

「い…いけど。」

右半身に彫られている刺青。
しばらく会わないうちに背が伸びて髪の色も変わった。男の人って感じがする。

ガウンの隙間から覗く肌。真っ黒な刺青にトン、と指を添わせてみる。なんの柄だろ。

「…っん」

蘭ちゃんと半分コして入れたって言ってた。合わさったら何になるんだろ。それが気になって柄を辿るように指を滑らせた。

「ちょっと待…っ東堂…っ?」

『わ、ごめ…なさい竜ちゃんっ』

気がづくと上半身のガウンがほとんどはだけていた。だけどそのお陰で刺青がよく見える。

『なんの…柄か気になって…っ』

「そんなことだろーと思ったけどさ。
こういうの俺以外にしたらダメな?」

『竜ちゃん以外に…?』

「そう。俺以外にこういうのしないで」

『うん、分かったよ』

「ん、約束な」

『竜ちゃんとお約束。』

こういうことっていうのは、他の人の刺青に触ったらダメってこと…かな。周りに入れてる人いたっけ…?

あ、カズくんと賢くん。。あと、今は見えないけどたかちゃんも入れてたかな。たしか賢くんとお揃いで双龍って言ってた。でも竜ちゃんくらい大きな刺青を見たのは初めて。

「なぁ、もう眠い?」

『ううん、まだ眠くないよ』

「刺青もっとちゃんと見たくねえ?」

『見せてくれるの?』

「この刺青脚まであんだぜ」

『!!みたいっ』

足首まで刺青が入っているのは見えていたけど、ガウンの中に隠れてしまっている脚は見えなかったから少し気になっていた。

「はい、どーぞ」

ガウンの紐を解いた竜ちゃんが、好きにしていいと言うようにその先を私に委ねる。めくっちゃっていいのかな?

『これ…めくっていいの?』

「いいよ、東堂がして?」

『うんっ』

ペラっとめくると上半身の続きが足首まで繋がって描かれていた。それを指で辿るように触れると竜ちゃんの体がピクん、と揺れた。

「…っ」

『ご、めんね私また…っ』

「いーよ触って大丈夫だから」

『でも…くすぐったかったよね?』

「大丈夫だから触っていいよ」

それなら遠慮せず好きに触れてみることにした
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