第11章 ブルーデイジー
side灰谷竜胆
あの日から東堂とは頻繁に連絡を取り合ってた。朝、おはようって送ったら『竜ちゃんおはよう!』ってかえてってきた。おやすみって送ったら『竜ちゃんおやすみ〜』ってかえってきた。たったこれだけで胸がギュウギュウと締め付けられて苦しい。東堂が竜ちゃんって打ってるとこを想像すると愛おしい。
あー、会いたいな…。
「りんどー」
兄ちゃんの声にメールを読み返す手を止めた。
「んー?」
「東堂ちゃんに会いに行きたくない?」
「いや、それは、うん。」
「じゃあ今から行こ」
「いや今日平日だし東堂学校だよ」
「うん、だから学校までいこ」
急に行って会えるかなんて分かんないし学校って人たくさんいるから見つけられないかもしれない…。でも会いたい…。
「けど俺…学校しらないよ」
「兄ちゃん知ってるから行こ
東堂に聞いたら教えてくれた」
「まって…準備してくる」
「はーい♪」
それから俺たちは渋谷にある東堂の学校へ向かった。
チャイムが聞こえてしばらくすると校舎から人が出てきた。俺らは校門にもたれかかって出てくる人を眺めながら東堂が来るのを待った。だけど何故か俺たちは今囲まれている。どこの学校ですか何年生ですかって俺たちを囲む女が話しかけてくる。なんなんだよ。これじゃ東堂を探せない。兄ちゃんはニコニコするだけで何も言わないし、俺は東堂を探してる。
東堂…はやくきてくれ…。