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東京卍會のお姫様

第10章 エーデルワイス


「きらっ!」

『…竜ちゃん?どうしたの?』

振り返って俺の名前を呼んでくれた。
それだけで十分すぎるくらい幸せだ。

「いや、あの…あのさ。」

「早く言えよ竜胆ぉ」

「兄ちゃんは黙ってて」

よし…勇気出せ俺…。

「あの、きらの連絡先教えて欲しい…です。次いつ会えるか分からないし…また何年も会えないのとか…その…」

ちゃんと目を見れない。

「また会えなくなったら超寂しいから連絡先交換しよ?」

口ごもった俺に被せて兄ちゃんが口を開いた。最悪だ。こういうことをサラッと言う兄ちゃんを尊敬するけど今は違う。絶対に違う。頑張って言おうと思ったのに…バカ兄貴…。

『うん、もちろんだよ!
これでまたすぐ会えるねっ』

だけど結果的に連絡先は交換できたし、薄々気づいていたけど東堂は鈍感ぽいからいっか…。

「ん。そうだな…っ」

俺に向けてくれた笑顔にまた愛想の悪い返事しかできなかった。会うのが久しぶりすぎて緊張が解けない。嫌な奴だなって思われてなきゃいいけど…。

「りんどー?ふふ」

そんな俺をみて笑う兄貴。
2人はほんと仲良いねって言って車に乗り込んだ東堂。またすぐ会えるよな。次は俺が渋谷に会いに行こうかな。

東堂と蓮くんが乗る車を見送ってから兄ちゃんが言った。

「東堂ちゃん昔から可愛いなって思ってたけどやばいね。可愛いし綺麗だし女の子としての成長も凄かったね。」

「東堂のこと変な目でみんなよ」

「兄ちゃんこれでも応援してんだぞ」

「ありがと…がんばるわ。」

確かに数年会わなかった間に色々と成長していた。前はただただ可愛い女の子って感じだったけど今は可愛いしすごい綺麗になった。それにカラダも女の子って感じになってた…反則級に可愛かったな…。俺だって年頃だし、兄貴にはああ言ったけど正直俺の方がそういう目で見てると思う。やっと会えて想いが溢れそうになった…好きで好きでおかしくなりそうだ。

いつか絶対伝えよう…。
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