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東京卍會のお姫様

第10章 エーデルワイス


俺の言葉に一瞬泣きそうな表情をみせる東堂。初めてあった日からずっと想ってたんだから無理して笑ってることくらいすぐ分かる。いつも周りに心配させないよう、苦しくても苦しいっていわないのがコイツだ。

東堂のこの容姿と家柄、当然妬む奴はいる訳でつまらないことをしてくる奴がいた。上履きがなくなったり教科書が無くなったり。ホントにくだらねえと思った。

1度上履きを買うのに付き合ったことがある。何で買うのか聞いても新しいのが欲しいんだってそれしか言わなかった。すげえ可愛い笑顔で。だけど何となく別の理由があるんだなって思った。だから帰り際に無理して笑わなくていいって抱きしめた。そしたら『竜ちゃん…私笑えてなかったかな…』って不安そうに俺の服をぎゅっと掴んでやっと泣いてくれたんだ。

それから俺の前で無理して笑うことは無くなった…って言うより俺がすぐ気づくから隠せなくなったんだと思う。お互いを信頼してた。だから俺はいつでも抱きしめるし東堂も弱いところを見せてくれてた。なのに急に会えなくなった。あの事故が起きてから東堂は六本木に来なくなった。

でも今目の前に東堂がいる。
夢みたいだ…。

「きらー?
遅いから様子見にきたぁ…って灰谷's?」

…俺達のことをそう呼ぶのは1人しか居ない。
東堂の兄貴だ。

「あ、蓮くん久しぶりーい」

ほら。





『じゃあ…今日のところはそろそろ行こうかな。またすぐ会おうね。』

今度友達に紹介するねってまた会う約束をしてくれた。次いつ会うかなんてわかんないけど、東堂の背中を見送った。

「竜胆東堂の連絡先聞かなくてよかったの?」

「ば…か聞けねえよ…。」

「はー?いけよ帰っちゃうぞ
また会えなくなっも兄ちゃん慰めねえぞ」

会えなくなるのは嫌だ…。
そう思って気づいた時には追いかけて名前を呼んでた。

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