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東京卍會のお姫様

第10章 エーデルワイス


side灰谷蘭

ここ六本木は灰谷兄弟のシマ。

去年ウチのシマにできたコース料理の店がすごい美味しいって評判で竜胆がずっと行きたがってた。最初の1年はVIPしか入れないとかなんとかで、それでも予約が取れないって誰かが言ってた。けど今朝店に電話したら速攻予約できた。まあ…自分で言うのも引けるけど俺たち兄弟は六本木のカリスマって呼ばれてるらしいしこんくらいは余裕か…。

そういうわけで今俺たちは兄弟仲良くご飯を食べてるってわけ。

「竜胆ー、兄ちゃんこの葉っぱ食いたくない」

「は?野菜くらい食えよ
…あーもうなんだよ…食うよ!
俺が食うからここ置いといて!」

「きゃー、竜ちゃん頼もしい」

「きもい黙って食え。」

「なー竜胆。そういえば前よく会ってた東堂ちゃんもさ、ご飯行くと必ず蓮くんになんかしら食べてもらってたよな」

数年前から会ってない東堂ちゃんて女の子。直接聞いた訳じゃないけど竜胆の初恋相手できっと今でも好きだと思う。前に東堂ちゃんのこと見かけて話しかけたらお待たせって店から出てきた蓮くんのことみて竜胆拗ねて帰ったの。竜胆が帰ったあと、私のお兄ちゃんって紹介されてそのまま一緒にご飯食べたんだ。帰って竜胆に教えてあげたら機嫌直ったしそれからは普通に4人で遊んでたし、嫉妬なんて可愛いなーって思ってた。

「東堂…大丈夫かな。
あいつ親の事すげえ好きだったよな。」

飛行機の墜落事故で東堂ちゃんの両親が亡くなったことはニュースで知ってた。

「蓮くんいるしきっと大丈夫だよ
落ち込んでたら竜胆が慰めてやれば?」

「無理だよ…連絡先も家も知らねえし。
…俺トイレ行ってくる」

「兄ちゃんのこと1人にすんなよ俺も行く」

なんていって竜胆の方を向きながら前を歩いた。

「おい前見て歩けよ」

ドンっ

よそ見してたら女子トイレから出てきた子とぶつかっちゃって、女の子が弾き飛ばされたのが見えた。すぐに竜胆が駆け寄って行って俺は怒られた。

『きゃっ…
ご、ごめんない!』

あれ…この声…

「おい兄ちゃん何してんだよ!
前見て歩けっつったじゃん!
ごめんな、大丈夫?」

おい竜胆…その子…

「痛いとこないか?
おい、兄ちゃん謝れよ」

びっくりして声が出ない。
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