第9章 同棲気分??
side夢主
だんだんお腹がいっぱいになってきた。
今年は皆がたくさんたくさんくれた。
何度も言うけれど、私の好きな物を知ってる人がいて、それをあげようって思ってくれる人がいることが本当に嬉しい。皆と過ごすようになってから毎日のように思う、私はお友達に恵まれてるなあ…。
両親を失ったあの日、私の世界からは色が無くなったみたいだった。何を見ても何をしてても何も感じない。両親の姿だけが鮮明に頭をよぎってた。辛かった。だけど圭介くんが話しかけてくれて、皆と出会えて、私は今心から笑えている。幸せだって毎日思う。皆がいるから。皆が私と一緒にいてくれるから。これからもずっとずっと大切にしていこう。
「…?東堂?どうした?」
『いや、私って恵まれてるなーと思って。皆と出会えて皆が一緒にいてくれて、毎日楽しいし幸せだなって思う。だから私皆のことずっとずっと大切にしていこうって思うんだ』
「ハハッなんだそれ!」
「みんなもお前のこと大切に思ってるぞ」
「東堂ちゃんのこと皆大好きだよ」
ニカッと笑う圭介くん、大切だといってくれたたかちゃんに、大好きだと言ってくれたカイちゃん。ほら…また私幸せな瞬間見つけちゃった。全部全部皆がいるからだよ。
みんなと過ごす時間はあっという間でだんだんと屋台の灯りが消えていく。そろそろ帰るかーって圭介くんの声にそーだなって言うたかちゃん。次は皆とどこへ行こうか。エマとの女子会も楽しみだな。
「東堂、かえるぞ。
それ食わねえと乗れねえぞ」
たかちゃんに言われて急いでわたあめを頬張る。
私の両手にはラムネとわたあめ。カイちゃんがゆっくり食べなーって私の頭を撫でた。私の方が年上なのにっ!だけど背がすごく高いから年下には全く見えないな…はは。さっき2人きりになった時はいつもと違う雰囲気で知らないカイちゃんみたいだった。長いまつ毛と綺麗な青い瞳に真っ直ぐ見つめられてドキッとした…。掴まれた手…大きかったな。カイちゃんに限らずたかちゃんも圭介くんもソウちゃんも男の人なんだよなって最近思う。みんな急に男の人っぽくなっていく。かっこよくなっていく。そのたびに私も綺麗になろうって思ってるのは恥ずかしいからみんなには内緒なんだ。