第9章 同棲気分??

『ん、食べた！飲み終わった！』

もう何も付いていない割り箸とカラのラムネ瓶をたかちゃんに突き出して、食べ終わったことを主張した。

｢お、よしよしよく食べました｣

そう言って頭を撫でるたかちゃん。

｢おい、最後の一口やるよっ｣

口の中が甘かったからちょっと嬉しい。
最後の一口をくれた圭介くんに感謝。

『んんー、焼きそば美味しいっ』

｢口の横にソースついてんぞ｣

『え、どこどこっ』

｢んっ。とれた｣

親指でキュッとソースをとり、それをペロッと舐めた圭介くん。その姿が何だか色っぽくて…最近たまに見せるこういう表情にドキッとしてしまう。

『あ…ありがとっ//』

｢お、おうっ。
これ捨ててくっから。お前のゴミも貰うわ｣

『あ、私も一緒にいくよっ
してもらってばっかり悪いし！』

｢ん、じゃ行ってくるわ三ツ谷
わりーけど待っててくれ｣

｢ん。｣

たかちゃんの短い返事を聞き終え、圭介くんは私の手を取り歩き出した。細い指だけど少しゴツゴツしてて男の人って感じだ。背もまた伸びたんじゃないかな。

買ったお店をそれぞれ回ってゴミを捨てた。

『ごちそうさまでしたっ』

｢はーい、また来年も来てねー｣

屋台の人とそんな会話をしてチラッと圭介くんを見ると目が合った。まただ。男の子の顔してる。なんだかどんどん知らない人になっていくみたいで少し寂しい。そんな事考えてたらグッと手を引っ張られて神社の影まで連れていかれた。

『圭介くん？どうしたの？』

｢まだ口に…ソースついてんぞ。｣

『えっうそ！圭介くんとって…っ』

私の頬に優しく手を添えて猫のような綺麗な瞳と目が合う。

『圭介くん…？』

｢東堂…｣

圭介くんの顔が近づいてきて唇に柔らかいものが触れた。少しして離れて今度は至近距離で目が合う。

『ん…っ圭介くん…なに…んっ』

私の言葉を遮るようにもう一度重ねられた圭介くんの唇。私の唇を挟むように優しく何度も何度も…まるで圭介くんに食べられているみたい。上手く息ができない。

『け…しゅけくんっなあに//』

しばらくして圭介くんが離れた。ポフっと私の肩に頭を預けて動かない。

｢東堂。俺のこと好き…？｣

？？ 突然何を聞くのだろう

『うん、だいすき！』

｢ん、そっか。よし。戻ろ…！｣

そう言って私達は来た道を戻った。