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東京卍會のお姫様

第9章 同棲気分??


side柴八戒

片手にいちご飴を持った東堂を見つけた。こんな人混みなのに視線が吸い込まれるように見つけた。

「おじちゃんわたあめ1つください」

柚葉の声で視線を戻した。あれ、たしか東堂ちゃんもわたあめ好きだったよな。あげたいな…。もっと仲良くなりたいし勇気出すか…男だろっ!

「おっちゃん、俺もひとつ!」

「え?あんた好きだっけ?」

「いや、まーたまには?」

「あーそういうことか。私帰るわ!
人混み疲れちゃったし」

「え?」

なんで急に帰るとか言い出したんだ?去年までも同じくらい人混み凄かったのに。変な柚葉。

「頑張れよはっかーい」

ニヤニヤしながらわたあめ片手に帰ってった姉。なんだよ…バレてんじゃねえか…。そーだよ、これ俺が食べるんじゃなくて大好きな東堂ちゃんにあげるんだ。探しに行こうと視線を動かせばすぐに見つかった。さっきまで一緒にいたはずのタカちゃんがいないけど。

「あ、いた!東堂ちゃんっ
場地くんも!」

『あれ、カイちゃん?柚葉ちゃんは?』

「やっほー、柚葉人混み疲れて帰った!」

会いたかったなーとしゅんとしてしまった東堂ちゃんにわたあめを差し出した。

「あ、東堂ちゃんにこれっ
わたあめ好きでしょっ」

『うそ!好き大好き!
カイちゃんありがとうっ』

キラキラと目を輝かせて喜んでくれた。良かった。この笑顔が見たかったから俺も釣られてすげえ嬉しい。

「俺も買うもんあっから八戒お前ちょっとここで東堂と待っててやってくんね?」

場地くんが屋台に行くと言い出して、え…もしかして二人きり?めちゃくちゃ緊張するけど嬉しい…っ。

「もちろんです!」

「さんきゅ。」

人混みに消えてく場地くんを見送り東堂ちゃんに視線を戻す。嬉しそうにわたあめを食べている。ちょーかわいい…。

『カイちゃんも食べる?』

そう言ってわたあめを摘んだ指先が近づいてくる。

「え、う、うんっ」

意を決して小さな手からわたあめを食べる。あれ…まって俺やらかした。東堂ちゃんの指も一緒に咥えてる…っ。
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