第9章 同棲気分??
side三ツ谷
今日は祭りらしく俺は今東堂の浴衣を着付けている。真っ白でこいつによく似合う浴衣だ。それに合わせて選んだのはグラデーションのかかったオレンジの帯。髪飾りにオレンジ色のものを選んでたのをさっき見た。だからそれと合わせたんだ。メイクもオレンジ系にすれば完璧だな。
「こんなもんかな。どう?」
『さすがたかちゃんだあ…!
早く皆にもみてもらいたいな!』
気に入ってくれて良かった。俺はこの笑顔を見られるだけで幸せだな。
それからバタバタと準備をする東堂。約束はしてなかったはずだけど場地が迎えに来て、東堂は場地のうしろにのって、楽しそうに会話をしてた。早く着けばいいのに…。
珍しくマイキーたちが先に集まってて俺ら待ちだったらしい。横目に東堂を抱きかかえて単車から降ろす場地が見えた。すっげえ優しい顔。小さな手が場地の手を引いてこちらに歩いてくる。
『たかちゃん!私チョコバナナたべたい!』
「はい東堂っ」
目の前にチョコバナナを差し出す腕。
『エマ!どーして分かったの!』
「だって毎年1番最初にチョコバたべてんじゃん?海行った時かき氷貰ったからお返しだよーん」
『嬉しいありがとう!
エマ大好き!!』
「私も東堂のことだいっすき!
ねえ今度女子会しよ!」
『そういうの憧れてたやりたい!
可愛いお菓子たくさん準備しとくねっ』
「ちょーたのしみにしとく
てか三ツ谷東堂と写真とってえ
後で送ってくれればいいから」
「え、俺の携帯?」
「うんそうだよ?」
そう言ったエマはなんだかニヤニヤしていた。何考えてんだアイツ。
「とるぞー、はいチーズ パシャ」
『たかちゃん「三ツ谷ありがとー!」』
「じゃあ私ケンちゃんとまわってくるね!」
ヒラヒラ手を振りながらドラケンの方へ歩いて行く途中、俺の横を通り過ぎる時に小声で
「東堂の可愛い浴衣姿の写真ゲットおめでとーお」
そう…いうことかよ…。
はあ…バカかよ。でもめちゃくちゃ感謝しますエマ様。俺が選んで俺が着付けて俺が勧めたメイクに俺が撮った写真。チクショーくそかわいいな。