第9章 同棲気分??
side場地
ブォン ヴォーン
東堂の家までバイクを走らせる。
早く東堂に会いたくて浴衣姿をみたくて、本当はいつもの神社で待ち合わせしてたんだけど家まで迎えに来てしまった。
ピンポーン
『あれ、お迎え来てくれたのっ
ちょっと待ってねすぐ出るから!』
バタバタしてんなー…
「ん、俺もういけるってば
お前のこと待ってたんだっつの」
え…三ツ谷いんの…?
インターホン越しに聞こえてきた声にズキンと胸が痛む。
ガチャ
「お、場地じゃん」
最近ほんと三ツ谷ばっかりだな…。
『圭介くん…浴衣…どうかな?』
三ツ谷と一緒にいたことに嫉妬してる。だけど今目の前にいる浴衣姿の東堂がキレイすぎて複雑な気持ちになる。真っ白な浴衣にグラデーションのかかったオレンジの帯。少しだけ化粧をしていつもとは違う雰囲気。可愛いし綺麗だし少し艶っぽい。
「ああ。すげえキレイだよ。
今日も東堂はかわいいな」
『へへ…照れちゃうなあ…っ』
照れてる東堂もすげえかわいいわ。
「俺が着付けてやったんだから
完璧にきまってんだろ?」
着付けをする為に三ツ谷がいたのか。
なんだ…そういうことか。
自分の中で答えを見つけて安心する。
胸の中のモヤモヤが消えていく。
「はやくのれよ行くぞ」
「おい場地、浴衣で乗れるわけねえだろ」
「横向きに乗りゃいけんだろ」
「ばか、あぶねえだろ」
「そうか…そうだよな」
浴衣で横向きに乗るなんて考えてみりゃ確かにあぶねえか。
『えー!乗りたい!
私後ろ乗るの好きなのに…』
ダダをこねてしゅんとしている姿にこちらが折れるしかなかった。ケガをさせないよう細心の注意を払ってゆっくり行くか…。
「「わーったよ」」
コイツが乗りたいって言うんだから乗せるだろ…俺らの負けだよ。
『やったあ!2人とも大好きっ』
その言葉が聞けるなら俺たちはきっと何でもする。
『行きは圭介くんのうしろ!いい?』
「あたりめえだろしっかり捕まれよ
まじでしっかり捕まれよ?」
東堂の浴衣を崩さないようそっと抱き上げ横向きに座らせた。
『ありがと圭介くんっ』
ドクン
今日の東堂は一段と綺麗すぎて直視できない。さっきからドクドクと心臓の音が東堂達にも聞こえそうだ。