第9章 同棲気分??
side三ツ谷
集会が始まって少しだった頃、隣に東堂がいない。今探しに行く訳にもいかず目だけ動かして探してみた。
隊ごとに分かれて話し合いをしている時、水色の頭の横にちょこんと立っている東堂をみつけた。アングリーくんのとこにいたのか。あの人は年上だしなんだかんだ兄みたいに頼ってるんだろう。
「…ちゃん!タカちゃん!」
「あ、わりい。なんだっけ。」
東堂のことばっかり目で追って隊の話が全く入ってこない。八戒に呼ばれて視線を隊に戻した。なのにだめだな…。また肆番隊の方をみてる。
アングリーくんの東堂を見つめる視線がすごくあたたかい。どんな気持ちであいつのことを見つめているのだろうか。離れていてよく分からない。
話し終わったんだろうか。落ち込んでいたように見えた東堂がニコッとわらっている。そのときアングリーくんが東堂の方に1歩近づいて腕を伸ばした。でもスっと腕を下ろして…まるで抱きしめるのをやめたかのように見えた。アングリーくんも特別に大切に思ってんのかな。
「たかちゃん!隊長!」
「…八戒。まじでごめん聞いてなかった…」
あいつのことになると何にも見えなくなる俺が怖い。こんなんで弍番隊の隊長だなんて笑っちまうよな。
「もう終わったよ。タカちゃんが解散って言ってくれれば俺たち解散できる。柚葉迎え来てるからはやくーっ」
「ほんとごめん。じゃあ今日はこれで解散」
言い終わるのと同時に俺は東堂に駆け寄った。
「東堂。帰るぞ」
『たかちゃん!うん!ソウちゃんまたね!
お話聞いてくれてありがとう!元気出た!』
俺もアングリーくんに一礼してケツに東堂を乗せた。
『おねがいします!』
「ん、つかまっとけよ」
こっからの時間東堂は俺のもんだ。
独り占めできるんだ。
そう思ったら胸ん中のモヤモヤが消えてった。