第9章 同棲気分??
side河田ソウヤ
「東堂ー?」
さっきからなんだか上の空な東堂。
何度か呼んでみるけど返事がない。
『…っ。ごめんね、ぼーっとしてた』
「そっか。なんか悩みあるんなら俺でよければたくさん聞くからね。」
東堂とはいつもお互いの兄ちゃんの話をする。
『ソウちゃん。私…お兄ちゃんに会いたい…』
やっぱり今日も兄ちゃんの話。やっぱりあんまり会えてないんだ。俺も兄であるスマイリーのことが大好きでいてくれて良かったって毎日思う。でも東堂と兄の相談とか兄の話をするときはもっと思う。東堂とこの話を共有できるのは俺だけなのかなって嬉しい気持ちになる。
「東堂…。やっぱお兄ちゃん忙しいの?最後に会えたのいつなの?」
『最後にちゃんと会ったのは…2ヶ月くらい前かな。一緒に夜ご飯を食べて。たくさん話したの。皆のことたくさん話したの。私が今生きてるのも笑っていられるのも東卍の皆のおかげなんだよって』
東堂はみんなに愛されてる。
わりといつも笑ってるしその笑顔がほんと可愛いの。だけどたまにこうやって弱いところを見せてくれる。そしたらさ、守りたいなって思うし笑ってて欲しいなって思うの。
「そっか。2ヶ月も会えてないの…。俺もスマイリーにそんだけ会えなかったら寂しいなあ。連絡はとってるの?俺じゃ東堂のお兄ちゃんにはなれないけどさ、話ならいつでもいくらでも聞くからね。東堂にずっと笑ってて欲しいからさ。」
東堂が頼ってくれるならいつだっていくらだって話を聞く。
『ありがとうソウちゃん。帰ったらお兄ちゃんに連絡してみようかな。』
「うん、きっとお兄ちゃんも喜ぶよ」
ソウちゃんのおかげで元気出たってニコッと笑う東堂にホっとした。やっと笑顔をみせてくれたから。本当は抱きしめたかったけど勇気が出なかった。
東堂がソウちゃんって呼ぶ声が大好きなんだ。呼ばれる度にトクンって心臓が跳ねる。好きだなって気づいたのはいつだろうか。もうだいぶ経つな。だけどこのまま傍にいられるなら、好きでいられるならこの思いは届かなくてもいいかなって…自分に言い聞かせてる。だって東堂は皆のお姫様だから。