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東京卍會のお姫様

第9章 同棲気分??


side夢主

母と父を失ったあの日。私は世界に1人だけ取り残された様だった。唯一残った家族の兄は、それはもうほんとに忙しそうだった。葬儀やら跡継ぎやら…。兄はいつも私に 構ってやれなくてごめんなって謝ってた。ひと回り上の兄に私はとても大切にされていたと思う。とても心配性で学校まで送ってくれたり時には迎えに来ることもあった。帰り道はいつも今日はどうだったかなんて質問攻めで…。だからたかちゃんや圭介くんといると兄を重ねてしまうときがある。安心する。

ぼんやりそんなことを考え込んでいると誰かが私の名前を呼んだ

「東堂ー?」

『…っ。ごめんね、ぼーっとしてた』

「そっか。なんか悩みあるんなら俺でよければたくさん聞くからね。」

こんな優しい口調で話しかけてくれたのはアングリーことソウヤくん。いつも怒ったような顔をしてるけれど本当はエンジェルハートの持ち主だ。そして肆番隊の副隊長だ。隊長はソウヤくんの双子の兄のナホヤくん。

『ソウちゃん。私…お兄ちゃんに会いたい…』

私と同じくお兄ちゃんがいるソウちゃんには兄の話を良くする。お互い兄が大好き同士だからかな。

「東堂…。やっぱお兄ちゃん忙しいの?最後に会えたのいつなの?」

『最後にちゃんと会ったのは…2ヶ月くらい前かな。一緒に夜ご飯を食べて。たくさん話したの。皆のことたくさん話したの。私が今生きてるのも笑っていられるのも東卍の皆のおかげなんだよって』

「そっか。2ヶ月も会えてないの…。俺もスマイリーにそんだけ会えなかったら寂しいなあ。連絡はとってるの?俺じゃ東堂のお兄ちゃんにはなれないけどさ、話ならいつでもいくらでも聞くからね。東堂にずっと笑ってて欲しいからさ。」

ソウちゃんは本当に優しい。話し方もかけてくれる言葉も全部。ソウちゃんは私のお兄ちゃんになれないって言ったけどお兄ちゃんみたく抱擁力があって安心する。ソウちゃんが年上だからなのかな…。

『ありがとうソウちゃん。帰ったらお兄ちゃんに連絡してみようかな。』

「うん、きっとお兄ちゃんも喜ぶよ」

いつも忙しそうだから連絡するのを遠慮していたけど、ソウちゃんと話して連絡してみようと思った。
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