第1章 夢の中
side 場地圭介
『ひっひぐっ なんでっ…おいてくの…っ
うあああああ 寂しい…さみ…しいよぉ…!!!』
ん?なんだいまの、、泣き声、、?
通りかかった公園から女の子の泣き声が聞こえてきた。ただ泣いているわけではなさそうだった。そんなのいつもなら無視するのになんとなく気になって公園に入っていった。
奥のベンチに可愛らしい女の子が1人で座っている。わんわん泣きながら 寂しいよ と叫んでいる。
「お、おい…?お前大丈夫かよ?」
気づいたら声をかけていた
『ひっひぐっ だ…れ?? だれですかっひぐっああ』
「俺は場地圭介だ。おまえは?なんで泣いてる?」
その少女は少し前に両親が連日ニュースでやっている飛行機の墜落事故で亡くなったこと、年の離れた兄は忙しくあまり会えていないこと、毎日夢にニュースの光景がでてきて眠れないこと、今泣いている理由のきっと全部を俺に話してくれた。
「そうか…辛いこと話させて悪かった。
今日から俺がお前の友達になってやる。俺の仲間も紹介してやる。お前はもう独りじゃない。だからもう泣くな。」
言い終わるのと同時に俺はそいつを抱きしめていた。
まだ10歳のガキのハグだ。なんの意味もねえ。
『ば…ばじっぐんん うあああっ ひぐっ
ありが…と…お ひぐっっ』
泣き止まないこいつの手を取って俺は約束通り仲間を紹介してやると あいつらとの待ち合わせ場所までゆっくり歩いてやった。