第6章 男の子
side 場地
今日は土曜日。休みだ休み!
母ちゃんが東堂の大好きなクッキーを焼いたから届けて来いって。今日は1日家でダラダラしたかったんだけどな。母ちゃんが言うなら行くしかねーだろ?怒られたらこえーもん。
でもまだ朝の8:00。
休日だしアイツまだ寝てっかな。
まー起きるまで部屋で待つか。
ピーンポーン
「場地くんですね、今開けますのでお待ちくださいませ」
瀬川さんは俺らにもすげー優しいの。
ドア開けてくれたり俺らには使わなくていいのに敬語つかってたり、家まで車で送ってくれたり。とにかくすげーやさしいの。んで東堂がめちゃくちゃ信頼してんの。だから俺も好き。
「おっじゃましまーす」
もう何度も来てるあいつの部屋に駆け足で向かった。
ガチャ
「はよー。場地くんだぞー起きてっかー?」
!?
は?三ツ谷…だよな?
裸の三ツ谷が東堂を抱きしめながら寝ている。2人とも超爆睡。どういうこと?付き合ってんの?え?昨日の夜もしかして…まじ?なんかすげーやな気持ちになった。
『ん…んん…ふぁぁあああっ』
姫様のお目覚めだ。
『ん…?圭介くん…?おはよお。なにしてるの…?』
この状況を俺に見られて焦んないこいつの頭ん中どーなってんの?
「お、はよ。母ちゃんが東堂にクッキー届けて来いって。それだけ。邪魔して悪かった。もー帰るわ!」
俺普通に邪魔だよな?空気くらい読める。帰る。
『え、クッキー?私の大好きなやつだあ。へへ。
圭介くんママだーいすき。
…あれ…。圭介くん帰っちゃうの?まだいてよ…帰ったらやだあ。』
え?この状況で三ツ谷と何もなかったってことか?普通この状況みたら誰もが同じことを思うだろう。いやでもうちの天然姫様ならありえるか?
しかも帰ったらやだなんて可愛いこと言いやがる。おまけにベッドから出てきて抱きついてきた。
「お、おい。帰んねえから離れろって」
俺の負けだ。可愛いってほんと罪だよな。