第16章 ベゴニア
『竜ちゃん…?』
「あえ…っと。あの…あのさ。」
『うん、なあに竜ちゃん』
スっと言えよ…俺…ダセェな。
「12月24日って空いて…ますか?」
『…クリスマスイブ?』
「あ、うん。いやでも…1ヶ月切ってるし…友達とかと約束してると思うから…その全然断ってくれていいんだけど…さ。」
『空いてるよ、東卍の皆とクリスマスパーティするのは25日の夜からだから。24日は空いてるよ。』
「え、ほんと…あの。その日さ…。
俺にくれたり…しませんか?」
『もちろん、喜んで』
「え、え、え、ほんと!?」
え、俺今年のクリスマスイブ東堂と過ごせんの!?やばい…まじやばい。帰ったら兄ちゃんに報告しよ。
『ほんとだよ…?嘘つかないよ!』
「まじ…か。うわー嬉しい…。
24日、俺迎えに行くから家で待ってて」
『分かった、楽しみにしてるね』
「うん、最高のイブにしような」
『今日もデートだけど、イブもデートだね竜ちゃん』
分かってるから言わなくていいよ…。
今心臓ギュンってしたよ…。
「そ…そうだな…//」
東堂と次の約束がある…幸せだ。
『竜ちゃん…っ』
「ん?」
『チーズケーキ1口たべたい…っ』
「あ、うんいいよ。食いな?」
『やったあ…っ!』
口を開けて待っている東堂にチーズケーキを食べさせてやると子供みたいな無邪気な笑顔を見せてくれた。可愛くてたまんねえわ。
『んん〜おいしいっ!
竜ちゃんも、はいどーぞっ』
「あ…あーん…っ//」
照れんな…俺。ダセェぞ。
『どー?おいしー?』
「ん、やっぱそれうまいな」
『ふふ、また来ようね』
「ああ、そうだな」
『あっ、あのね竜ちゃん!』
「どーした?」
『この前竜ちゃん達が助けてくれた日にね、オススメしてくれたカフェにいったのね。紅茶のシフォンケーキは竜ちゃんと食べたいから取っておいたんだ。だから今度一緒に行ってね!』
「なにそれ…っ
別にいいけどさ…はあ…。」
可愛すぎんだろ無自覚とかやべえだろ…。
俺と行くために食べなかったってなに…?
『やだ…?』
「んなわけねえだろ。行こうな?」
『うんっ!』
はーあ…天使。