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東京卍會のお姫様

第15章 ムスカリ


ちょっとまってて、と竜ちゃんは私の1歩前に出ると、私の手首を掴んでいた男の人の胸ぐらを掴んで睨んだ。こんな竜ちゃん見たことない。不安になって蘭ちゃんの方を見ると残った2人の男の人に何か言っている。

「テメェらウチのお姫様にナンパとか…
死にてーのかなー?♡」

「す…みません…知らなくて…っ!」

「んな事聞いてねえのよ〜
すみませんとかいらねえからー♡」

『ら、蘭ちゃんっ!
私たち何ともないから…ね?』

警棒をかざした蘭ちゃんの腕を慌てて掴む

「んー、でもほらー
何かあったら助けるって場地とも約束してるしなあ?」

『十分だよ、助けてくれてありがとうね
そろそろ帰ろうとしてたところだし…!』

そっか、と警棒を下ろした蘭ちゃんに安堵する。

「りんど〜もういんじゃねーのー?
そいつビビりすぎて気絶してんじゃん」

「…あ、ほんとだ、情けねえ男だな
こんなんで東堂に話しかけんなクソが」

『竜…ちゃん?』

いつもと違う2人に不安が増す。

男の人を掴んでいた手をバッと離して、地面にドサッと倒れ込んだその人に見向きもせずこちらを振り返った。さっきまでとは違ういつもの竜ちゃんの顔。

「東堂…大丈夫か?怪我は?痛いとこは?
こっち来る時は連絡して…お願いだから
今日はたまたま俺らが通りかかったけどさ。」

『竜ちゃん…ほんとになにもないから大丈夫よ
助けてくれてありがとうね』

するとぎゅっと抱きしめられた。
ふわっと香る竜ちゃんの優しい匂い。

「ん…良かった。
男に手首掴まれてっから…彼氏かと思って焦った。けどなんかそんな雰囲気じゃなかったし…。はあ、家まで送ってくよ。お友達も一緒に。」

『マイキーと賢君がお迎えに来るから大丈夫だよ。
ありがとうね竜ちゃん。』

「…そっか。
総長と副総長が揃ってお迎えね。
ほんとに大事にされてんなあ。」

「あ…えと東堂?この人たち…は?」

状況を呑み込めていないエマがアタフタしている

『あ、えと、私の幼馴染だよっ
灰谷蘭くんと竜胆くんです』

「あ…え、もしかして灰谷兄弟…とか?」

「あれえ、やっぱ俺らって有名?♡」

「これってマイキーに話すべき?」

『心配させちゃうから黙っておこうか。』
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