第14章 ホオヅキ
「おいスマイリー今日どうした?」
「あ?なにがー?」
「あーいや、随分と今日の肆番隊は
東堂と一緒に居るなあと思って」
それは俺も思ってた。
スマイリーはドラケンの問いかけになんと答えるだろうか。各隊にわかれて話し合いが始まった時に東堂は紛れもなく弐番隊にいたのにスマイリーに呼ばれて肆番隊の方へ行ってしまった。
「弟に協力すんのが兄貴ってもんだろ?」
「ん?アングリーに協力?」
「可愛い弟の初恋応援してやりてえじゃん」
「え、アングリーって東堂のこと好きなの?」
…まじか。
薄々感じてたけどいざ聞くとまじか…。
「え、あ?なんだ皆気づいてっかと思ってた
三ツ谷、お前は気づいてたんじゃねー?」
急に話振らないでくれよ…
「あ…ああまあ。なんとなくだけどな。」
「え、三ツ谷気づいてたの!すげえ!
なんでなんで!いつから知ってたの!」
興味津々なマイキーとは裏腹に俺ときっと場地も心中穏やかではないだろう。東堂を想う男が今この族に少なくとも3人いるんだから。
「いや別に確信とかはなかったけど、祭んときに東堂の好きないちご飴あげたりとか浴衣似合ってるって言ったりとか、わざわざそんなことする人だっけって思ってたくらいだからさ。もしかして…くらいだよ。」
「あー、祭んときはアイツすげえ勇気だしたんだよ
ってことで俺は可愛い弟の応援してやりたいんだ」
「なるほどなあ…でも正直東堂って
競争率すっげえ高くね?
他校からも人気だって噂きいたぞ!」
パーの言う通り競争率高いなんてもんじゃない。
「まあでも、アイツも兄貴忙しくてあんま会えてないらしいし、年上のアングリーといると落ち着くんじゃねえ?いいじゃねえか、な?」
「んまあ、東卍にも東堂を狙ってるやつはバカみてえにいると思うからアングリーも苦労すると思うけどな」
そう言って俺に目配せをしたスマイリー。
は…バレてんのかよ。
「まーなんにせよ姫は俺たちで守ってこうぜ」
「「「そうだな」」」
それから俺らは場地を中心にあの日の話をした。今後俺らがどうしてかなきゃなんねえか真面目に話し合った。いつになく沈んだ空気だが俺たちは乗り越えてかなきゃなんねえ。マイキーを支えるって決めたんだ。