第14章 ホオヅキ
「んじゃ幹部はじめんぞー」
バラバラと集まってきた各隊の隊長にマイキーが号令をかける。
「うーっす」
「あ、マイキー話し合いの前に東堂からあの話してもらわねえと。副隊長も集めよう。」
「ああそうだったな。
東堂!こっちでさっきの話して!」
『うん!』
俺に抱きついていた温もりが消えてマイキーの方へ走って行ってしまった。
「全隊の副隊長も集まってくれ!」
マイキーの声に俺たち副隊長は何事かと駆け足で石段をのぼった。幹部の会議に俺らが呼ばれるなんて何があったんだろうか。抗争か?
「よし、集まったな。
東堂、話していいぞ」
『えっと…まだ少し先の話なんだけどね
私のおうちでクリスマスパーティーするから
皆来ませんか…?どうかな…?』
「ケンちんが前に財布拾って届けた人がたまたま東堂の兄貴だったらしい。お礼の代わりにクリスマスパーティーを開くからって話だ。俺とケンちんは行くけどお前たちどーする?」
「行きたーい!」
真っ先に返事をしたのは八戒。女の子苦手なはずなのに東堂ちゃんにはよく話しかけてるみたい。
「俺も行くかな。」
『たかちゃん!ルナマナちゃんも連れてきてよ!』
「お!帰ったら聞くわ!多分来ると思うけどな。
あいつら喜ぶわ、さんきゅーな!」
「そのクリスマスパーティーには
隊長、副隊長、総長、副総長が来るってことか?」
『うんそうだよ、エマも呼ぶつもり!
武藤くんたちも来てよ!』
「結構人数いるけど大丈夫なのか?」
『ぜーんぜん大丈夫だよ皆に来て欲しいし!』
結局その場にいる全員がクリスマスは東堂ちゃんの家のパーティーに参加することになった。別に二人きりではないけど先の約束があることが凄く嬉しかった。
「じゃー、幹部以外は解散するか
待ってんなら別の場所で待機しててくれ。」
「「「うっす」」」
「アングリー東堂連れて向こうで待ってて」
「分かった、東堂ちゃん向こう行こ?」
『はあいっ』
勇気をだして東堂ちゃんの手をとり俺たちは幹部の集まりから離れた。またうるさく鳴る心臓が東堂ちゃんに聞こえないようにしないと。今日の集会は一緒にいられて幸せな日だったな。なんて思ってるのは本当にきっと俺だけなんだよな…。