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東京卍會のお姫様

第14章 ホオヅキ


『ソウちゃん!』

「…っわ!びっくりした…!」

一通りドリンクを渡しに回ってマイキーとドラケンと話していた東堂ちゃんが石段を勢いよく降りてきて俺に飛び込んできた。その小さな体を抱きとめればキラキラの笑顔を見せてくれた。

『ソウちゃん!ないすキャッチー!』

「びっくりしたよ…怪我してない?大丈夫?」

『ソウちゃんがキャッチしてくれたから大丈夫!
ふふ…っ、ソウちゃん優しい匂いがするね
私この匂い…スンスン…うんっすごい好き!』

俺に抱きついたままの東堂ちゃんが特服の匂いを吸い込んでから、さらにぎゅっと抱きついた。もう心臓の音が煩くて絶対…絶対聞こえてる…。

「…っ!?東堂ちゃ…ん…っ」

『んー、もう少しだけ…!』

「うん…うん…わかった…っ」

もう…どうしたらいいの?
女の子に抱きしめられるのは初めてだし、ましてや好きな女の子にされたらどうしていいか分かんないよ…っ!前に落ち込んでた東堂ちゃんを抱きしめようとしたけど勇気が出なかったことを思い出した。あー俺って情けないな。今だって東堂ちゃんから抱きしめられているだけで俺はなにも…。

『ねえソウちゃん!』

「…なっなに?」

『ソウちゃんもぎゅーってして!』

「え…あ…っうん」

彼女に言われるがまま俺も彼女を抱きしめる。
あ…いい匂い…。この匂い好きだな…。
やっぱ男と違って細いし柔らかい…。

『もう体調大丈夫?』

あ…さっき暑いなんて言ったからか。

「うん、もう大丈夫だよ
東堂ちゃんが飲み物くれたから」

『ほんと?よかったあ!
皆も休憩できたかな?』

この人数全員に気を配れるのってほんとすごい。
俺は自分の隊だけでも精一杯なのに…。

「おー東堂、飲みもんありがとなあ
アングリーパンクするからそろそろ離してやれ」

「あ、兄ちゃん…っ」

えーー!といいながら次は兄ちゃんの背中に飛び乗る東堂。気づけばどの隊も話し合いは終わっており、皆残りの飲み物を座って飲んでいた。

『ナホくんもいい匂い!
ソウちゃんと同じにおいだあ!』

「そりゃそうだろ、家同じだからな」

『あ、そっか!』

東堂ちゃんはきっと俺たちを兄貴みたいに思ってるんだろうな。このままは…嫌だなんてワガママだよね。
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