第14章 ホオヅキ
「んじゃ肆番隊もはじめんぞー」
「「「ウッス!」」」
「東堂ちゃん…暑くない?大丈夫?」
『あ、ううん大丈夫よソウちゃん
優しいねありがとう』
兄ちゃんが東堂ちゃんをわざわざ肆番隊の方へ呼んだのはきっと俺のため。弐番隊に混ざって話を聞いていたのに呼んだら直ぐにこっちへ来てくれた。スマイリーの言う 「三ツ谷怒ってねえ?」 っていうのは俺も気になってた。東堂ちゃんがどうして?という表情をして弐番隊を振り返った時…というかずっと三ツ谷は東堂ちゃんを見つめてて…でもそれにニコニコと手を振ったときは本当に鈍感だなーって思った。
暫く兄ちゃんが話をして、隊の皆は兄ちゃんの話を静かに聞いていて、今日はジワジワとする暑さだなーなんて考えてたら隊の1人が少しふらついた。
その瞬間、隣に立っていた東堂ちゃんが神社の外へと走り出した。もう夜だし心配だから兄ちゃんに目配せをしてから直ぐにあとを追いかけて俺も走り出した。
「東堂ちゃん!どこいくの!」
『あれ、ソウちゃん着いてきてくれたの?』
「や…だって急に走り出して…心配だから」
神社からほんの少しだけ歩いたところにあるコンビニに東堂ちゃんは入っていく。俺もそのあとを追いかけて一緒に入る。迷わずにドリンクコーナーへと足を進めてカゴに何本も何本も飲み物をいれている。
「東堂ちゃんカゴ持つよ。」
『わ、ごめんソウちゃん、ありがとうっ』
実はちょっと重かったんだってヘラっと笑う東堂ちゃんを見て、着いてきて良かったと思った。
たくさんのスポーツドリンクとプラスチックのカップと氷を買って俺たちはコンビニを出た。さすがに重くて東堂ちゃんと一緒に持って神社までの道を歩いた。あっという間に着いてしまうのが惜しい。にしてもこの量を1人で運ぼうとしてたのかな…ほんとついてきてよかった。