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東京卍會のお姫様

第13章 キャンディータフト


圭介が東堂に特別な想いを抱いてることも東堂が東卍のメンバーを平等に大切に思ってることもって分かってて俺はこう返すんだ。

「圭介…お前東堂と付き合ってんの?」

「あ…いや違うッスけど…」

けどなんだ?
違うけど俺には渡したくねえって事だろ?

『ワカくん…?』

俺の腕の中でもぞもぞと動き上目遣いで見つめる東堂。

「ごめん苦しかった?」

『あ、ううん違くて』

「ん?」

『なんか香水つけてる…?』

「いや…つけてねえけど…?」

『そ…っか。』

「え、変な匂いする?」

『ううん、すごくいい匂いがするから
香水なら知りたいなって思っただけだよ』

なになになに…?
今どきの中学生って破壊力やばいのな…。

「な…んだよそれ…。」

『ワカくん…。
真一郎くんと会うんじゃなかったの?』

「…っ」

圭介の顔が辛そうに歪んだ。
俺が話していないことに驚いたのか?

「あー…そうだな。そうだった。
俺…真ちゃんと仲直りしなきゃな…。
俺にはお前が必要だよって言わないと…っ」

自分で言っていて苦しくなる。そうだよ、俺には真ちゃんがいないとダメなんだ。喧嘩にも女にも弱いアイツが誰も手を付けられなかった〈白豹〉を飼い慣らしたんだ。たったひとりアイツだけに懐いたんだ。多分無意識に東堂を抱く腕に力がこもった。アイツも東堂みたいに心の綺麗な男だった。誰にも東堂を汚されたくない。

『うん、仲直りしておいで。』

そういって俺を抱き締め返してくれた。
ああ泣きそうだ…東堂が好き…。
ずっとずっと気付かないふりをしていたんだ。
自分の気持ちに蓋をしてた。

さっきだって東堂の家から出てきた圭介をみてやっぱり同い年の方がいいよなって思った。俺じゃ釣り合わねえよなって。けどもう気づいたら止まんねえじゃん。圭介…ごめんな。俺東堂のこと本気みたいだ。きっと随分前から。

「…真ちゃんのとこいってくる。」

ずっと抱きしめていた東堂を解放してから圭介に手を振って俺は真ちゃん元へと向かった。

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