第12章 センビタリア
『圭介くんは迷惑じゃないの…?
この歳にもなって一人で寝られないなんて…
私…情けないよね。』
「迷惑なわけあるかっつってんだよ
1人で寝られねえなら俺が付き合うよ
情けないなんて思ったことねえから…だから。
俺のことも頼って欲しい。」
『圭介くんは優しいね…。
きっと私は出会ってから今までずっと迷惑かけっぱなしだよ。頼ってばっか、守られてばっか…。』
「東堂…んなことねえよ。
頼れって言ったのも守ってやりたいって思ったのも全部お前だからなんだぞ。俺ら東卍は東堂がいなくちゃ機能できねえくらいお前に依存してる。それくらい大事な存在だから…だからそんなこと言うな。なんかあったらすぐ言ってくれ。」
東卍の紅一点。野郎しかいない俺らの唯一の癒し。守られてばっか?当たり前だろ。お前を戦わせるなんてできるわけねえよ。傷1つだって付けさせねえ。東堂を拉致でもしてみろ。東卍総出でぶっ潰してやるよ。
『…っうぅ…ひぐっズビッ
け…すけくっありがど…っうっ』
東堂の肩に顔を埋めたままの俺の頭の上から泣き声が聞こえて反射的にバッと顔をあげた。
「ば、おま…泣くなよ!
俺が泣かしたみてえだろーが!」
『だって嬉しくて…うぅっ』
ったく…。
泣き顔さえ可愛いコイツを抱きしめて落ち着くまで頭を撫でてやった。東堂とくっ付いているだけで俺も心が落ち着くく。風呂に1人でいた時間、東堂が戻るまで部屋に1人だった時間、震えていたのが嘘みたいに落ち着くんだ。自分の犯したことを一瞬忘れそうになる。いつ話そう…。このままずっと隠し続けんのは嫌だ。