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東京卍會のお姫様

第12章 センビタリア


side夢主

圭介くんの腕の中で泣いた私はしばらくして落ち着きを取り戻した。優しく抱きしめてくれる圭介くんの腕が体温が、頭を撫でてくれる大きくて優しい手…すべてが私を落ち着かせてくれる。

『急に泣いたり…ごめんね。』

「落ち着いたか?
相変わらず泣き虫だな?
泣きたい時はいつでも俺の事呼べよ
いつでも胸貸してやるからな」

圭介くんの優しさに胸がジーンとする。

「ふふ、ありがとう圭介くんっ
もう…寝よっか?」

そういった私の目を見つめている圭介くんの顔が変わる。男の子の顔…。

「俺まだ甘えてねーんだけど?」

あ…そっか。
今日は甘えていいよなんて言っておきながら結局また私が圭介くんに甘えてしまったんだった…。

『はっっ!
そうだよね私のばか!』

だから私はバッと手を広げてみた

「?」

あれ…?伝わってない?

『はいっ!ぎゅーしてあげる!
おいで圭介くん!』

「ん。東堂あったけえ。」

珍しく素直に私の腕の中へと入ってきた圭介くんが可愛い。

『よしよし、何があったか知らないけど
私は何も聞かないから。ずっとそばにいるから。』

「東堂…ありがとな…。
もーちょい踏ん切り着いたら話させて。」

『うん、いつまでも待ってるよ』

心做しか少し声が震えているように聞こえた。
抱きしめる腕を少し強くしてみた。

「東堂…足りない。」

もう少し強く抱きしめてみた。

「違ぇよ…ぎゅーじゃ足りない。」

『あ、ごめん勘違いしちゃった!
何して欲しい?なんでもするよ?』

珍しく甘えん坊な圭介くんだから何でもしてあげたい。

「何でもって言ったな?
取り消しとかナシだかんな?」

『え、うん…?きゃっ』

圭介くんに抱きかかえられてゆっくりベッドにおろされた。

「何でも…だよな?」

『ん…いや…えっと。』

男の子の顔をした圭介くんに言葉が出てこない。

「東堂…」

私の頭の横に片手をついて、もう片手は私の後頭部にある。横たわっている私に跨るような体勢の圭介くん。だんだんと近づいてくる顔に目を逸らせない。

『…圭介くん?』

「三ツ谷と過ごしてた1週間…夜は何してたんだ?
何もせずただ寝ただけか?」

たかちゃんにされた事を思い出して顔に熱が集まるのがわかる。
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