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東京卍會のお姫様

第12章 センビタリア


side場地

風呂でゆっくりしてこいって東堂と瀬川さんに送り出されて湯船に浸かりながら色んなことを考えている。

俺が…俺たちが犯した決して許されないあの日のことを東堂に打ち明けたらなんて言うだろうか。やはり離れていくだろうか。そんなの絶対に嫌だ…だけど黙って隠し続けてそばに居るのもキツい…。

思い出すたびに震えが止まらなくなる。

はあ…はあ…っ、まただ…もう出よう…っ
東堂に抱きしめてほしい…苦しい…っ

用意しておいてくれたスウェットを着て東堂の部屋に戻った。だけど東堂はまだ戻ってきてなくて…震える体を自分で抱きしめて待った。

コンコン…ガチャ

東堂…っ?

「失礼致します、瀬川です」

「あ、瀬川さん、どうぞ…っ」

「ココアお持ち致しました。
お嬢様はこちらのキンキンのココアです
場地くんはこちらの温かい方を。
なんだかお疲れのようでしたので…
よろしければ…では失礼致しますね」

「あ、すいません、ありがとうございますっ」

瀬川さんが出ていってすぐにまたドアの開く音がした

ガチャ

『お、圭介くんのが早かったね』

あ…東堂だ…っ

「おう、俺もゆっくりさせてもらったし
急なのに着替えまでさんきゅーな」

『ううん、全然!
サイズ合ってよかった!
あ!ココアだ!瀬川が置きに来た?』

「あーさっき瀬川さんが来ておいてったぞ
このココアはお前ので…キンキンらしい
こっちのホットココアは俺のって」

さっきまで震えてたのが嘘みたいに東堂が戻ってきてから心が落ち着いた。

『私が飲みたくて頼んだんだー』

「俺ココアとか久しぶりだわ
涼しい部屋で飲むホットココア最高」

それから少しの沈黙が訪れた。

『…圭介くん』

先に口を開いたのは東堂だった

「ん?」

『圭介くんと二人でお泊まりなんて久しぶりだね?』

何を言い出すかと思ったら…それはお前が…。

「あーそうだな…。」

『圭介くん?』

「だって東堂が……っ」

『私が…?』

「東堂が三ツ谷とばっかりいるからだろ。
俺だってお前と一緒にいたいのに。」

『たかちゃん…?』

話したいのはこんな事じゃねえのに…っ
でも止まんねえ…
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