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東京卍會のお姫様

第12章 センビタリア


『え…うん。
1週間たかちゃんといたよ?』

私が言い終わったと同時、ベッドに背もたれながら並んで座っていた圭介くんがグッと私の腕を引いて鼻先が触れるほどの距離になった。と思ったら私の方にポスッと顔を埋めた。

『…圭介くんっ?』

「俺じゃダメだったんか…?」

消え入りそうな声に何が何だか理解が追いつかない。

『お願いしようと思った時にたまたまたかちゃんといたから…それに1週間も泊まりに来てなんて迷惑でしょう?たかちゃんにお願いするのもすごく気が引けたんだよ。』

「迷惑なわけあるかよ。」

1週間泊まりにこいなんて急に言われたら誰だって迷惑だよね。たかちゃんは一瞬考えて直ぐに返事をしてくれたけどルナマナちゃんの事もあるだろうしすごく申し訳ないなって思った。わざわざ圭介くんに電話して来てもらうのも気が引けるし…。その場にいたたかちゃんをたまたま誘っただけ。そこにたかちゃんじゃなくて圭介くんがいれば圭介くんを誘ったと思う。

『圭介くんは迷惑じゃないの…?
この歳にもなって一人で寝られないなんて…
私…情けないよね。』

「迷惑なわけあるかっつってんだよ
1人で寝られねえなら俺が付き合うよ
情けないなんて思ったことねえから…だから。
俺のことも頼って欲しい。」

私の肩に顔を埋めたままの圭介くんが言った。

『圭介くんは優しいね…。
きっと私は出会ってから今までずっと迷惑かけっぱなしだよ。頼ってばっか、守られてばっか…。』

「東堂…んなことねえよ。
頼れって言ったのも守ってやりたいって思ったのも全部お前だからなんだぞ。俺ら東卍は東堂がいなくちゃ機能できねえくらいお前に依存してる。それくらい大事な存在だから…だからそんなこと言うな。なんかあったらすぐ言ってくれ。」

皆にとってお荷物なんじゃないかって考えるときがある。だからそれを消してくれるような言葉をくれる圭介くんに目頭が熱くなる。

『…っうぅ…ひぐっズビッ
け…すけくっありがど…っうっ』

私の泣き声にバッと顔を上げた圭介くん。

「ば、おま…泣くなよ!
俺が泣かしたみてえだろーが!」

『だって嬉しくて…うぅっ』

そういった私を優しく抱きしめて落ち着くまで頭を撫でてくれた。圭介くんの大きくて優しい手が大好きなんだ。
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