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東京卍會のお姫様

第12章 センビタリア


『瀬川!』

「お帰りなさいませお嬢様。
場地くんもいらしたんですね。」

『うん、圭介くん今日泊まるんだけど急で着替えがなくって。この前お兄ちゃんが着てたスウェットってあるかな?』

「ございますよ。用意しておきますね。
お風呂場に置いておけばよろしいでしょうか?」

『瀬川ありがとう、うん!
お仕事増やしちゃってごめんね…っ』

「いえいえ、これくらい全然ですよ」

瀬川ってね、美人で優しくてスタイルが良くて女優さんみたいなんだよ!家に帰って瀬川がいるのはすごく安心する。私が生まれた時にはもういたから私より家に詳しいと思う。本当の娘みたいに大切にしてくれて…私は心の底から瀬川が大好きなんだ。

『圭介くん、瀬川が着替え用意しておいてくれるからもうお風呂入っておいで!ゆーっくりしてきていいからね?』

「おー、ありがとな
瀬川さんもありがとうございます。」

私と瀬川にお礼を言い圭介くんはお風呂に向かった。
その背中を見送ってから瀬川にもう1つお願いした。

『ねえ瀬川。
もう1つお願いしてもいいかな』

「もちろんですお嬢様」

『圭介くん最近元気ないの。
なんか落ち着く飲み物でも出してあげてほしい』

「かしこまりました。
お嬢様はなにか飲まれますか?」

圭介くんにってお願いしたのに私の分も考えてくれるんだよ優しいなあ。

『んー、お風呂後は暑いからなー
キンキンのココア!』

「キンキンのココア…承知致しました。」

不思議そうに繰り返しながら瀬川は圭介くんにだす飲み物を考えてくると言って行ってしまった。

私もお風呂入るかー。

お風呂に入って湯船に浸かるとなんだか色々考えてしまう。小さく震えて泣きそうだった圭介くん…なにか言いたそうに、でも何も言わなかった。それほどに言いづらいことがあったんだな。言いたくなったら教えてね、なんて言ったけど、話せないほどに私は頼りないのかなって少し凹んだ。マイキーや賢君は知ってるのかな。圭介くん…今日話してくれるかな…。

なんてグルグル考えてたら随分長風呂してしまった。

そろそろ出るか…。
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