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東京卍會のお姫様

第11章 ブルーデイジー


side場地

渋谷と六本木をそれぞれ仕切ってるってだけでバチバチしてたけど、話してみたら意外と良い奴だし、このままホントに仲良くなれるんじゃねえかって思った。すっかり打ち解けて竜胆と二人で前を歩くほどだ。

「竜胆、そろそろ帰るか?」

後ろから聞こえた蘭の声に俺と竜胆が振り返る。

「あー、そうだね。もう暗いし。
遅くまで東堂のこと連れ回せないから」

こうやって東堂のことを気遣うところとか良い奴だなって思う。けどそれは女の子だから気遣ってんのか、東堂だから気遣ってんのかでだいぶ変わってくる。後者かなって薄々おもってるけど…わかんねえ。

タタタって蘭の手を引いてこっちに走ってきた東堂が繋いだ手をそのままで竜胆に抱きついた。隣に俺居んのに…って凹むけどダサいから言えねえ。

『蘭ちゃん!竜ちゃん!
今日は会いに来てくれてありがとう!
あのね、楽しかったからまた来てねっ』

「何度でも東堂ちゃんに会いに来るよ」

「ん。また来るから。」

東堂の顔をのぞきこんで笑顔で頭を撫でる蘭と固まって顔を背けながら返事をする竜胆。なんだかその光景がスっと入ってくる感じがして、ああコイツらほんとに昔からの仲なんだなって…嫉妬しちまう。

『じゃあ、私たちも帰ろうか。圭介くん』

だけどそう言って2人から離れて俺の隣にピタッとくっついてきた東堂にそんな嫉妬はスっと消えてくんだ。

「じゃ、またな灰谷ー」
『またね蘭ちゃん!竜ちゃん!』

「「うん、また来るね」」

灰谷の背中を見送ってから俺は東堂の手を取って歩き出した。

『んふふっ』

「ん?何笑ってんだ?」

『圭介くんと手繋いで2人で歩くの久しぶりだなって思って』

さっき目の前で蘭の手を取り竜胆に抱きついて笑顔を見せていたあの光景を頭から消したくて無意識に東堂の手を取ってた。

「たまには…どうかなー?つって。」

『たまにじゃなくてもいいのに
圭介くんとこうやって歩くの好きだよ?
出会った日を思い出す。私を皆のとこに連れてってくれた圭介くんカッコよかったなあ。』

「な…っにいってんだよ」

『ふふ、圭介くん大好きよ』

俺の方が好きだばーか。

はあ…暗くてよかった。
多分いま俺すげえダサい顔してるわ。
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