第11章 ブルーデイジー
side灰谷蘭
「東堂ちゃん荷物持つよ、かして」
店を出て歩き出してすぐ東堂ちゃんに話しかけた。場地と竜胆がすっかり打ち解けて2人で前を歩いてるから俺と東堂ちゃんは2人を追いかけるようにうしろを歩く。
『大丈夫持てるよっ』
「持てるとか持てないとかじゃなくて、ね?
俺がそうしたいんだ。持たせてくれる?」
『もー、蘭ちゃんは優しいなあ』
東堂ちゃんと2人で話す機会なんてあんまりないから少し緊張するな。いつも必ず竜胆がいるから。
「ねえ東堂ちゃん。東卍ってきっと良い奴たくさんいるんだろうなって今日分かったよ」
東堂ちゃんが笑顔でいられる居場所をつくった東卍はきっといいチームなんだろうな。たまに見せる悲しそうな顔に心が痛む。まだ拭いきれてない寂しさを俺が拭ってあげられたらどんなにいいだろう。だけど俺は竜胆の兄ちゃんだから…弟の恋を応援してあげないと…。俺の気持ちは一生蓋をして隠していこう。その代わりに東堂ちゃんを妹のように可愛がろう。
『うん、いい人ばっか。みんな優しいよ』
「東堂ちゃんが幸せなら俺も嬉しい」
東堂ちゃんが笑ってられるように、俺は東卍と協力することを場地に提案した。俺たちの問題で東堂ちゃんに悲しい顔させられないでしょ。ぶつかる日が来るまで…いや…東堂ちゃんの前でだけはうまくやろう。